求人広告データプロバイダーReveaera社のCTO、ヘンリー・ウィング・チウ氏が11月9日、2023〜25年の求人約1億8000万件を分析し、AIがどの職を実際に変えているかを調べた結果を報告している。
報告によれば、現場担当者の減り幅が大きい一方で、上位の役職はあまり落ち込んでいない傾向があったという。背景としては、企業が戦略判断を担う人材を厚くして、実行部分は小規模化する傾向があるほか、上位の役職者がAIツールを使って自らアイデアの試作を進められるようになったことがあるものと推測されている。
職種としては、CGアーティストやカメラマン、ライターなど、実務としてのクリエイティブ職が2年連続で2〜3割減少する一方、クリエイティブディレクターのような企画・戦略寄りの職は比較的堅調だった。
AIによりソフトウェアエンジニアの仕事が奪われるという予想もあったが、実際にはあまり変化がなかった。ただし、そのなかではフロントエンドエンジニアの仕事の減少幅が大きく、Replitなどのバイブコーディングアプリの影響が挙げられた。
逆に、機械学習エンジニアやロボティクスエンジニア、データセンターエンジニアなどAIインフラを支える職種は大きく増加した。従来型のマーケティング職が減少する一方、いわゆるインフルエンサーマーケティングの仕事は2年連続の増加となっているという。
医師の代わりに診察内容を記録する仕事は、会話を自動で書き起こすAIツールに一部置き換えられつつある兆しがあるという。一方、AIに排除されると思われていたカスタマーサービスは微減にとどまった。現状のチャットボットでは、不満に対する共感や判断を伴う複雑な問題解決に対処できないためと推測されている。
結論としては、AIはいまのところ失業率の大幅な急増を引き起こしてはおらず、減る仕事と伸びる仕事が選別されている状態だとされている。







