絶対行きたい! この街のあの名所 第157回

山寺だけじゃない! 神秘的なもう一つの山寺も巡る山形市の秋旅♪

文●越智龍二 イラスト●サタケシュンスケ

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垂水霊境

 里芋や牛肉、コンニャクなどを煮込んだ鍋を河原に集まって大勢で楽しむ「芋煮会」が風物詩となっている、秋の山形県山形市。先日、星野リゾートが宿泊施設の開業計画を発表した開湯約1900年の蔵王温泉や、別名“スノーモンスター”と呼ばれる冬の蔵王樹氷などが有名な、これからの季節に訪れたくなる街です。一方で、かつて城下町として発展した市内には、山形城跡(霞城公園)や文翔館などの貴重な建物が多数。

 歴史・文化的に重要な寺社仏閣も多く、平安時代の1063年に源頼義が創建した鳥海月山両所宮、開運招福・厄除けなどのご利益がある山形県護国神社などが市内にそろっています。なかでも国指定の史跡に登録されている「宝珠山 立石寺(山寺)」は、国内外から年間約70万人が訪れる大人気スポット。今回は、その山寺はもちろん、山寺の奥手にある知る人ぞ知るスピリチュアルスポット「垂水霊境」(写真)も合わせてご紹介します。

四季折々の美しさを見せる自然と調和した古刹

山寺 冬_根本中堂
山寺 秋_開山堂

宝珠山 立石(りっしゃく)寺

 通称“山寺”と呼ばれる「宝珠山 立石寺」は、平安時代前期の860年に慈覚大師・円仁によって開かれた天台宗の古刹。東北を代表する霊山として知られ、この地を訪れた松尾芭蕉の名句「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」も有名です。1015段の石段がある山全体が国の史跡に指定される約33万坪もの広大な境内には、断崖絶壁に立つ絶景の五大堂など、自然の中に溶け込んだ多数の堂塔が散在。円仁の尊像が安置された撮影スポットとしても人気の開山堂(写真上)や、開山から灯る不滅の法灯が見られる国指定重要文化財の根本中堂(写真下)のほか、奥之院、納経堂などが見どころです。秋の紅葉や雪に覆われた冬など、四季折々の美しさを見せる山寺は、一方で“悪縁切り寺”としても知られ、過去の縁を断つために祈願する風習もあります。入山料(個人)・中学生以上500円ほか。

DATA
住所:山形県山形市山寺4456-1
電話:023-695-2843
https://rissyakuji.jp/

神秘的な雰囲気が漂うもう一つの山寺のスピリチュアルスポット

垂水霊境

垂水(たるみず)霊境

 「宝珠山 立石寺」のさらに奥に位置し、“山寺”のルーツともされる千手院地区にある「垂水霊境」。“もう一つの山寺”とも呼ばれる峯の浦は、円仁が山寺の構想を練っていたとされる山の中にあり、修験道の修行場として古くから信仰されてきた場所ですが、垂水霊境はその一番奥地にあります。巨大な白い岩壁に蜂の巣状の穴が連なった独特な地形が特徴で、不動明王を祀る窟や小さな祠、鳥居などが点在。自然の中に突如現れる異様とも感じられる空間で、あたり一帯に荘厳かつ神秘的な雰囲気が漂うスピリチュアルスポットです。垂水霊境のほか、峯の浦の烏帽子岩や千手院観音堂などを巡る所要時間約3時間のガイド付きハイキングツアーも人気(体験代金・中学生以上7000円)。

DATA
住所:山形県山形市山寺千手院
電話:023-695-2816(山寺観光協会)
https://yamagatakanko.com/attractions/detail_12319.html

 11月21日(金)~23日(日・祝)には、東日本連携センター まるまるひがしにほん(埼玉県さいたま市大宮区)にて、「仙台・山形観光物産展」が開催。宮城県仙台市と山形市が連携し、両地域の特産品の販売やステージイベントなどが行われるほか、一定金額以上の購入で参加できる抽選会の景品として、山寺で使用できるクーポン券も登場予定です。もし山寺や山形に興味が湧いたという人は、ぜひこちらもチェックしてみてください。

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