部門、業種別に見る“協働のかたち”
ここからは、AIが積極的に活用されている分野ごとの状況や、具体例を見てみよう。
営業/マーケティング(Revenue Accelerator)
営業やマーケティングの分野では、AIが商談記録を要約し、次のアクションを自動化するツールが広がっている。たとえばZoomの「Revenue Accelerator」は、その代表例だ。
Revenue Acceleratorは、商談内容を要素化してスコアリングしたり、外部のCRM(顧客関係管理システム)と連携させ、必要項目を自動的に入力したりといった使い方ができる。
AIがデータ整理を担当し、人は顧客対応や提案のクオリティーに集中できる。ここでは、ビジネスに必要なプロセスの速度と精度を両立させる協働が実現している。
法務/会計(LegalOn/assetforceリース会計パッケージ)
契約書のレビューや法規制の整理など、従来は定型化しにくかった業務にも、AIが浸透しつつある。
たとえばLegalOn Technologiesの法務プラットフォーム「LegalOn」は契約書条項を自動的に整理し、リスク箇所を指摘するといった機能をAIが担う。AIが分析を担い、人間が最終判断を下す構造だ。
三井住友ファイナンス&リースの会計業務向けソフトウェア「assetforceリース会計パッケージ」は、AIによる契約書の自動読み取り機能を実装している。AI-OCR(光学式文字認証)と生成AIを組み合わせることで、読み取った契約書上に、AIが抽出した箇所をハイライト表示したり、入力欄から該当箇所を即座に参照し、レビュー作業を効率化するといった使い方が可能だ。
こうしたソリューションにおけるAIは、AIの分析力と人間の判断力を掛け合わせて統合する“ハイブリッド型の協働”と言える。












