本来は自宅で据え置き的に利用する製品だが
今回は旅行にも持って行った
本来は家庭やオフィス向けの製品だが、筆者はこれを「旅の相棒」として試してみた。北陸新幹線による家族旅行では、2人分のスマホ、モバイルバッテリーとスマートウォッチをこの1台でまかなった。
新幹線車内のコンセントは座席の下や肘掛け先端など、位置が一定していない。特に旧型車両では窓際下部に1個しかなく、重いUSB ACアダプタを挿すとケーブルのテンションや足の接触で簡単に抜け落ちてしまうことも多い。その点、クリップ型タップならテーブルの縁にしっかり固定でき、ほぼ100%の安定性を確保できる。
今回は宿泊先のホテルでもその真価を発揮した。最近はUSBポート付きのコンセントも増えたが、USB PD対応となるとまだまだだ。旧仕様の「1口+12W出力」では現代のモバイル環境には力不足。このタップなら、1.5mのケーブル長でベッドサイドやデスク周りまで柔軟に届き、一般的な1.5mのUSBケーブルさえ持っていれば、3台のUSB PDデバイスを同時に急速充電できる。
重量290gは軽量級ACアダプター2~3台分に相当するが、グループや家族に1台で対応可能であればその荷重も平均化される。そして移動中の電源ストレスを解消できる安心感を考えれば十分に許容範囲内である。
USB電源環境はPD対応によって劇的に進化したが、依然として「固定・携帯・多デバイス」を同時に満たすモデルは市場を眺めてもそれほど多くない。その点、この「クリップ型USB Type-C×3ポートタップ」は、据え置きとモバイルの境界を軽やかに埋める新しいカテゴリーの提案製品であると言える。
自宅や会社のデスク上、出張先やステイ先でも、安定した電源供給とケーブルマネジメントを同時に実現してくれるスマートな選択肢と言える。
今後の進化としては、ポート方向の可変構造や、天板厚へのマルチ対応など設置自由度の拡張に期待したい。もはやこれは、どこでも電源ベースキャンプを構築できる“バリアブル・デザインのモバイルデバイス時代”の必須ツールかもしれない。

今回の衝動買い
・エレコム「EC-AC11767BK」(ブラック)
・購入元 Amazon.co.jp
・価格 4690円
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

この連載の記事
-
第854回
トピックス
それでも現金を持たざるを得ない現況で、ジッパー付きセキュリティポーチ靴下を衝動買い -
第853回
トピックス
3COINSのクリアワイヤレスキーボードが1000円に値下がりしたのでまた衝動買い -
第852回
トピックス
価格は優秀、剃りは凡庸 USB充電可なシャオミ製電動シェーバーを衝動買い -
第850回
トピックス
年初にAndroid搭載のカラーE Ink端末「Bigme B751c」を衝動買いして9ヵ月使ってみた -
第849回
トピックス
理論派が作った“変態ピック”を半世紀ベーシストが衝動買い -
第848回
トピックス
“ケーブル紛失ゼロ”の未来系SSDケースを衝動買い -
第847回
トピックス
北欧製の密閉縦型製氷皿“アイスブレーカー”を衝動買い -
第846回
トピックス
今も愛用のThink手帳に迫るブギーボード「BB-21」を衝動買い -
第845回
トピックス
レガシーなタフスマホ「TORQUE G04」を5980円で衝動買い -
第844回
トピックス
EVERINGを衝動買い更新! NEON BUZZで“指先決済”を3年延長 - この連載の一覧へ













