最新版「VMware Cloud Foundation 9.0」を紹介、NECはVCFベースのクラウドサービスを発表
パブリッククラウドを凌駕する“モダンプライベートクラウド”へ ―VMwareがイベントでアピール
2025年11月05日 08時00分更新
BroadcomのVMware部門(VMware by Broadcom)が、2025年10月29日、東京・六本木で国内向けの年次イベント「VMware Explore on Tour in Tokyo」を開催した。完全招待制で開催されたこのイベントには、およそ1000人の顧客企業やパートナー関係者が集まった。
基調講演では、今年6月から提供を開始した“モダンプライベートクラウド”プラットフォームの最新版、「VMware Cloud Foundation 9.0(VCF 9)」の特徴や最新機能について、デモも交えながら紹介した。
また同日、NECがBroadcomとのパートナーシップを強化し、VCFベースのプライベートクラウド環境「NEC Private Cloud Infrastructure powered by VMware」をマネージドサービスとして提供開始することを発表した。基調講演にはNECのほか、TKC、NTTなどがゲスト登壇した。
「モダンプライベートクラウドは、3つの領域でパブリッククラウドより優れる」
基調講演の冒頭、あいさつに立ったヴイエムウェア カントリーマネージャーの山内 光氏は、“クラウドファースト”戦略が提唱されはじめて10年以上が経過した現在、「あらためて、クラウドのあり方を考え直すタイミングに来ているのではないか」と問いかけた。
同社がグローバルのIT部門責任者1800人に実施した調査では、特にセキュリティやコンプライアンスの側面から92%が「プライベートクラウドの重要性」を高く評価しており、70%が「パブリッククラウドからプライベートクラウドへの移行を計画している」という。ただし現実には、プライベートクラウド環境を構成するコンピュート/ネットワーク/ストレージは、マルチベンダー構成でサイロ化している状況もあり、そこが課題となっている。
「そのため、本来プライベートクラウドで実現可能なスピード、コスト、管理性といったメリットが、しっかりと享受できていないのではないか。これらの課題を解消し、モダンプライベートクラウドを実現する――。そのために、われわれはVCF 9をリリースした」(山内氏)
山内氏は、VCF 9が実現するモダンプライベートクラウドは「3つの領域でパブリッククラウドを凌駕する」と断言する。ハイパーバイザ層ですべてのトラフィックを検査/防御する「セキュリティ」、管理者によるコントロールで“使いすぎ”“使いっぱなし”を防ぐ「コスト」、そして自社の都合とタイミングに合わせた管理と同時に、自動化による負荷軽減、インフラの継続的な最新化といったメリットも実現する「管理性」の3つだ。
さらに山内氏は、VCFによるモダンプライベートクラウドは、顧客データセンターのオンプレミス環境だけでなく、エッジ環境、パブリッククラウド環境、さらにNECなどのパートナークラウドにも、包括的に同一プラットフォームを展開することができると強調し、今後もパートナー連携を強化していく方針だと述べた。








