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JAPAN MOBILITY SHOW 2025、いすゞ/UDトラックスブースより

いすゞとUDが発表した未来のトラック「VCCC」は本気で未来的

2025年11月04日 18時00分更新

文● 貝塚/TECH.ASCII.jp

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コンセプトモデル「VCCC(Vertical Core Cycle Concept)」

 東京ビッグサイトで開かれた「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」。大型トラックで知られるいすゞとUDトラックスが、今回のショーで目玉に据えたのはコンセプトモデル「VCCC(Vertical Core Cycle Concept)」だ。

 従来の大型トラックは、そのサイズや走行音の大きさから、しばしば威圧的な存在とも思われてしまうが、VCCCはそのイメージを刷新し得るコンセプトを持っている。静音性の高い電動駆動や、滑らかな面を強調したデザインにより、街並みに溶け込みながらも、見る者に新鮮な楽しさを提供する未来型のトラックだ。

 会場で実際に見て感じたのは、単なる輸送手段を超えて、都市の景観に寄り添うモビリティとしての可能性である。

未来のトラック・VCCC、見どころはバーチカルコア

 VCCCの核となるのは「バーチカルコア」と呼ばれる縦型のフレーム構造だ。

 従来のトラックは荷台や架装が車両ごとに固定されていることが一般的。このため、積み込む荷物も自ずと“トラックに合わせた”ものになる。

 たとえば、冷凍食品用のトラックには断熱・冷却設備が固定されており、通常の家具や建材は積めない。平ボディのトラックは建材や資材の運搬には向くが、保温・保冷を必要とする食品や医薬品の配送には使えない。

展示では、巨大な液晶サイネージを搭載したモジュールが披露された。荷物を運びながら、映像を流すことができる

 バーチカルコアを採用することで、多彩な架装への対応が可能になる。縦型フレームは車両の主要部品が縦方向に集約されており、荷台部分に柔軟なスペースが確保できるからだ。

 さらにVCCCでは、換装できるモジュール構想を採用している。

 これは、バーチカルコア同士で挟み込むようにして設置する「モジュール」を入れ替えることで、柔軟に車両の機能を変化させるもの。例えば、同じ車両に平ボディを装着して建材や資材を運搬した後に、冷凍・冷蔵装置を取り付けて食品配送に切り替えるといった運用も容易になる。あるいは小口配送用の多段棚を搭載して、日用品を効率的に運ぶといった使い方も可能だ。

プロモーションビデオ内で紹介された、ショーケース状のモジュール。運搬物をショーケースのようにして“都市に向けて見せる”

 想定するパワートレインはバッテリーEVで、いすゞが2023年のジャパンモビリティショーで発表した交換式バッテリーの仕組みをイメージしている。バッテリーを交換できる方式を採用することで、充電による待機時間を減らし、連続して走行できるというメリットが生まれる。

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