個人で実践できる対策は
クマの出没数の増加を受けて、気象情報に関連したソリューションやソフトウェアを開発する日本気象では、ツキノワグマの主要な分布域である本州全域に対応した「クマ遭遇リスクマップ」を開発し、公開している。
このマップは「クマとの遭遇リスク」を地図上に表示するもので、「生息地そのもの」ではなく、「人とクマとの遭遇が発生するリスク」に焦点を当てて作成されている。
そのため「人の生活圏における遭遇リスクマップ」としての性質を持ち、登山や山菜採りで山へ立ち入る際の安全マップとしては活用できない点に注意してほしいものの、こうしたテクノロジーも、遭遇リスクを下げる手段として有効になり得るだろう。
また環境省では「野生鳥獣の保護及び管理」内に「クマに関する各種情報・取組」という項目を設け、データの公表と共に、クマの生態や分布、人間の生活域で被害に遭いにくくするための対策も紹介している。
たとえば、「放置果樹や廃棄農作物、生ゴミなどの『誘引物』を取り除くこと」「農耕地等への電気柵の設置と管理」「耕作放棄地や藪の整備」など、クマを寄せ付けない具体的な工夫が挙げられている。目を通して、個人レベルで実践できる対策を知り、日常生活での安全確保に活かしたい。








