そうだ! 旧車に乗ろう! 素人女子の三菱「ギャラン」レストアへの道 第6回
DIYで実現する旧車ギャランのメンテ! エンジンを動かす前に必ずしないといけないこと
2025年10月19日 15時00分更新
お久しぶりでございます。前回の記事(旧車ギャランのエンジンを動かすため燃料ホースとドレンホースを交換)からかなり時間が経ってしまいましたが、皆様お元気でしょうか?
夏の暑さも和らいできたということで、いい加減駐車場に置きっぱなしになっているニューギャランの車検を取って、公道復帰したいと考えております。色々な環境の変化でバタバタしておりましたが、やはり“死ぬまでに1度は旧車に乗りたい”という夢を諦められず、ど素人ではありますが公道復帰に向けて再び頑張っていこうと思います。
当連載を読んで「矢田部でもできるなら、自分にもできそうだ」と感じてくださる方が、1人でもいらっしゃるとうれしいです。
ということで、引き続き公道復帰を手伝って下さるのは、サンダー平野さん(1人ではどうにもできず、早々にお呼びした助っ人)。
オイル交換&ホース交換は完了しています
では、いざエンジンをかけてみよう! と運転席に乗り込みましたが、平野さんからストップが入りました。というのも、長い間エンジンをかけていなかった車はオイルが下に落ちてしまい、シリンダーやカムなどの細部にオイルが行き渡っておらず、油膜切れをおこしている可能性があるからです。
そのため、カムシャフトなどに直接オイルを上から手でかけてあげるのがベストとのこと。
オイルがエンジン全体に行き渡ると、金属同士の摩擦が軽減し、スムーズに動くようになります。さらに油膜を形成し、焼き付きから保護してくれるそうです。矢田部はとにかく早くエンジンをかけたかったので、「この作業省略で……」と言いそうになりましたが、省略するとエンジンはかかっても、最悪の場合、焼きついてしまいエンジンが壊れることも……。
カムカバーを開けよう!
カムシャフトにオイルを垂らすために、まずはカムカバーを開けます。ちなみに、カムカバー(または、バブルカバー)というのは、エンジンのシリンダーヘッド部分に装着されたカバーのことです。
カムカバーは複数のボルトでエンジン本体に固定されているので、ソケットレンチを使ってボルトを外していきます。ギャランの場合、私の手なら余裕で入るスペースがあるので、とても作業しやすかったです。
すべてのボルトが外れたら、カムカバーを持ち上げて取り外します。ガスケット、パッキンがあるので要注意!
プラグレンチでプラグを外します
プラグを外すとエンジン圧縮が抜けるので、クランキング(スターターモーターでクランクシャフトを回転させる動作)するときに、軽くなる&点火をしないので、エンジンはかからず安心して鍵を回せるというわけです。
矢田部がとにかくエンジンをかけたがるのは、旧車の動画を見ていると、エンジン始動の様子が派手に演出されていることが多いので、自分もやりたくなってしまうのです……。
手作業でエンジンを回します
クランクプーリーにメガネレンチをかけて、エンジンを回していきます。少し回してオイルを垂らしてを繰り返し、カム全体にオイルが行き渡るようにします。細部までオイルが行き渡っていないことなんてあるのかな? と思っていましたが、ゆっくり回していくと意外と乾いた面があることに気付きました。
いよいよクランキング!
カムカバーを元に戻し、鍵を回してエンジンのクランク軸を回転させていきます。こうすることで、エンジンのオイルポンプが動くので、エンジン全体にオイルが行き渡ります。
この後、プラグを元に戻せばOK。さて、次回はいよいよエンジン点火です!
今回使用した道具など
■メガネレンチ
モンキーレンチやスパナではボルトの山をなめてしまうおそれがあるので、カッチリとボルトをロックできるメガネレンチがオススメ!
■プラグレンチ
プラグの取り付けや取り外しに使う工具です。狭い場所でも作業しやすいフレキシブルタイプや、奥の方まで突っ込んで作業可能なマグネット付きタイプなど、さまざまな種類があります。
■100均のドレッシング入れ
オイルを上から垂らすときに使用しました。
ここで注意! 古いオイルを廃棄する時は、お住まいの自治体の廃棄方法を必ず確認して下さい。
■ソケットレンチ
ボルトやナットを回すための工具。ソケットの種類を変えられるので、色々な大きさのネジやボルトに対応可能です。ハンドルにはラチェット機構などの機能が付いているので、狭い場所での作業もしやすいです。
■布、キッチンペーパー
オイルなどを拭くのに使います。多めに用意しておくのがGOOD。ちなみに、矢田部は着なくなった服を取っておき、ウエス変わりに使っています。
【今回のまとめ】エンジン始動は急ぐべからず!
素人的には「ワンチャンかかったらラッキー♪」の精神でエンジンをかけたいところですが、それによって起こりうるトラブルを考えると、確かにこれくらいはしないといけないですね。今まで乗ってきた車は“エンジンなんてかかって当たり前”だったので、今朝、愛車のエンジンスタートボタンを押す際に「いつもありがとう」と感謝の気持ちを伝えました。それでは、また次回!

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