Stable Diffusion入門 from Thailand 第33回

初心者でも簡単！「Sora 2」で“プロ級動画”を作るコツ

意外な活用法が続々登場

　リリース後、Redditなどのクリエイターコミュニティを見ると予想外の使い方が次々と報告されている。いくつか面白い例を紹介しよう。

ゲーム開発にも使える

　コードを書かずにゲームプレイをプロトタイピングする手法が話題だ。インディーゲーム開発者は、実際のプロトタイプを開発する前に、Sora 2で「プレイアブル広告」や「ゲームプレイ動画」を生成し、ゲームメカニクス（game mechanics）の妥当性を検証しているという。

　さらに野心的なアイデアとして、プレイヤーの選択に応じてゲームの舞台や展開をリアルタイムで生成する「選択肢分岐型アドベンチャーゲーム」のコンセプトがある。プレイするたびに異なる環境やストーリーが生成され、完全にユニークな体験ができるというわけだ。

　予算制約のあるインディースタジオにとって、アニメーションチームなしでシネマティックなカットシーンを制作できるのは革命的だ。

建築のプレゼンが変わる

　建築業界では、クライアントミーティング中にリアルタイムでデザインを修正・可視化する手法が登場している。従来は静止画を使った一方的なプレゼンテーションだった打ち合わせが、その場でフィードバックを反映しながら進める対話型の提案に変わるのだ。

　例えば、3つの異なるビルデザイン案を連続したアニメーション動画で見せることができる。高層ビル案から中層ビル案、低層ビル案へと滑らかに変化していく様子を動画で表現すれば、それぞれが街並みに与える印象の違いを、静止画よりも直感的に伝えられる。

　また、公共広場が朝から夜までどう使われるかをシミュレーション動画で見せる試みも始まっている。建物の見た目だけでなく、人々がその空間をどう体験するかまで、事前に検証できるわけだ。

「カメオ機能」で自分が主役に

　Sora 2のカメオ機能（Cameo）を使えば、自分や友人を動画に出演させることができる。短い動画を一度撮影して外見と声を登録しておけば、本人の同意のもと、誰でもその人物を自分の作品に登場させることができる仕組みだ。

　OpenAIのCEOサム・アルトマン氏が自らのカメオデータを公開すると、ユーザーたちはすぐさま彼をネタにした面白動画を作り始めた。中でも「TargetでGPUを万引きするサムの防犯カメラ映像風クリップ」が大バズりしたという。

　家族や友人へのサプライズ動画を作るもよし、架空の映画シーンに自分を出演させるもよし。想像力次第で遊び方は無限大だ。

動画例3：月面誕生日パーティー。「@sama（サム・アルトマン氏のカメオ）」使用

pic.twitter.com/nvOb35NyGs

— tagkaz_ascii (@tagkaz_ascii) October 10, 2025

プロンプト：Birthday party on the moon's surface. @sama floats in slow-motion lunar gravity wearing a silver spacesuit, trying to blow out candles on a birthday cake. The candles won't extinguish in the vacuum. Other party guests in spacesuits float around holding balloons that don't rise. Earth visible in the background. Low gravity physics accurately simulated. Sound: muffled breathing through helmet, faint communication radio static, suit movement rustles, playful electronic music.

日本語説明：月面での誕生日パーティー。[@sama]がゆっくりとした月の重力で浮かびながら銀色の宇宙服を着て、バースデーケーキのロウソクを吹き消そうとする。真空中でロウソクは消えない。他のパーティー参加者は浮かばない風船を持って浮遊。背景に地球。ヘルメット越しのこもった呼吸音、かすかな通信ラジオのノイズ付き。

　コメント：これはちょっと失敗、ロウソクの火が消えたり復活したりしている。とは言えセリフもきちんとサム氏の声だし、プロンプトをもう少し追い込めば希望のものができそうだ。

ブラウザー画面も再現可能

　ブラウザーの操作画面の再現も得意だ。ChromeやSafariで検索している様子、Webサイトを閲覧する画面などをUIごと生成できる。ソフトウェアの使い方を説明するチュートリアル動画や、Webサービスのデモ映像を作る際、実際に画面録画する必要がなくなるわけだ。

動画例4：ブラウザ操作

pic.twitter.com/R1pi9NBVus

— tagkaz_ascii (@tagkaz_ascii) October 10, 2025

プロンプト：Screen recording style. A hand cursor opens Google Chrome browser on a MacBook screen. The user types "Sora 2 amazing videos" into the search bar, hits enter, and scrolls through search results. Realistic browser UI with accurate Google search interface, thumbnails, and text. Smooth cursor movement and typing animation. Camera static, focused on screen. Sound: keyboard clicking, mouse clicks, subtle computer fan hum, fingers on trackpad.

日本語説明：画面録画スタイル。手のカーソルがMacBookのスクリーンでGoogle Chromeブラウザを開く。ユーザーが検索バーに「Sora 2 amazing videos」とタイプし、エンターを押し、検索結果をスクロール。リアルなブラウザUIと正確なGoogle検索インターフェース。キーボードのクリック音、マウスクリック、かすかなコンピューターのファン音付き。

　コメント：MacBook要素がないのと中国語OSになっている以外は概ね意図通りのものができた。コミュニティでは「Soraは動画生成AIというより、次世代OSのプロトタイプかもしれない」という声まで上がっているがそれは少々大げさかと。