8月27日に、Windowsターミナル(以下、ターミナル)のプレビュー版v1.24.2372と、安定版v1.23.12371が公開された。すでに配布が始まっており、Microsoftストアを経由して、安定版/プレビュー版ともに更新が実施されているはずである。
そもそもターミナルとは?
ターミナルはWindows 11では標準のコンソールプログラムである。これに対して、ターミナル登場以前のコンソールプログラムを「Conhost」(conhost.exe)と呼ぶ。
なお、現在でもConhostはWindowsに付属しているが、標準のコンソールプログラムは、ターミナルになっている。ターミナルには、「WindowsTerminal.exe」と「wt.exe」の2つの実行ファイルがあるが、後者は「アプリ実行エイリアス」である。これは、かつてターミナルがUWPアプリだった頃の名残だ。
アプリ実行エイリアス(wt.exe)は、安定版/プレビュー版で共通で、設定の「アプリ」→「アプリの詳細設定」→「アプリ実行エイリアス」で、安定版/プレビュー版のどちらを起動するのかを指定する。
wt.exeは、ユーザーフォルダ以下の「$env:LOCALAPPDATA\Microsoft\WindowsApps」(PowerShell)、「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\WindowsApps」(cmd.exe)にあり、前記の設定でプレビュー版または安定版を指定することで、どちらかで起動する。
通常は、Microsoftストア経由でアップデートされるが、GitHubからバイナリファイル(ZIPアーカイブ)をダウンロードして、ローカルフォルダに展開して使うこともできる。この場合、過去のバージョンを同時に利用できる。
安定版v1.23の新機能はUIの改良や
エスケープシーケンスからの画面内容のコピーなど
安定版「Windows Terminal v1.23.12371.0」(https://github.com/microsoft/terminal/releases/tag/v1.23.12371.0)は大きな変更点として、
・設定UIの改良
・エスケープシーケンスから画面の内容をコピー可能
・エスケープシーケンスからターミナルウィンドウのサイズを変更可能
・エスケープシーケンスからWindowsクリップボード書き込みを禁止可能
・エスケープシーケンスからカラーパレット、前景、背景、カーソル、選択色をリセット可能
・太字(SGR 1)は、ITUインデックス付き色(SGR 38:5 で選択された色)では太字で表示
・現在の作業ディレクトリを開くアクションが追加
・settings.jsonを含むディレクトリを開くアクションが追加
・「バッファをクリア」がCtrl+Shift+Kに割り当てられた
・ポータブルまたはパッケージ化されていないバージョンで言語オーバーライド可能
・マークモードでTabキーとShift+Tabキーで移動可能に
がある。v1.23には新機能以外にもバグフィックスやパフォーマンス向上といった部分も少なくない。
大きな改良点としては、GUI設定ページの改良がある。設定ページへの新機能の追加は、プレビュー版v1.24でも実施された。
設定ページの改良では、プロファイル定義も変更されている。
またv1.23からは、WSLなどのコンソール前提のプログラムは、自身でターミナルにプロファイルを登録するようになった。ただし、Visual Studioの開発コンソールなどは、Visual Studioのインストール後にターミナルが起動時にこれを検出して登録する。Visual Studioのインストールや構成変更の間に、開発コンソールを一回アンインストールすることがあるため、インストールや構成変更中には、ターミナルを起動しないほうがよい。
いくつかの機能がエスケープシーケンスで設定可能となり、アプリケーションから制御が可能になっている。また、作業ディレクトリなどを開く「アクション」が定義され、キー割り当てが可能になった。
v1.22までは、ポータブルモードで表示言語を変更できなかったのだが、v1.23からはこれが可能になった。

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