ベテラン社員の行動履歴をWeb業務の自動実行につなげることが可能に
ついにWeb操作で“人間を超えた”AIエージェント NECが“暗黙知”の活用技術
2025年09月01日 16時00分更新
NECは、2025年8月27日、個人や組織がもつ“暗黙知”をデータ化して、Web業務の自動実行につなげるエージェント技術「cotomi Act(コトミ アクト)」を開発したと発表した。本技術を活用したWebブラウザ自動操作のAIエージェントは、国際的ベンチマーク「WebArena」において世界で初めて人間のタスク成功率を上回ったという。
cotomi Actは、ベテラン社員のブラウザ上の操作履歴やログなどの行動履歴から、専門業務に内在する“暗黙知”を自動抽出し、意味や背景まで理解した上で形式知化するエージェント技術だ。このデータ化された暗黙知は、NEC独自の生成AI「cotomi」などの技術で自動分析され、実際の業務に活用できる。cotomi Actを利用したWeb業務を自動実行するAIエージェントは、ユーザーからの曖昧な指示に対しても、膨大な暗黙知の中から必要な知識を的確に見分け、情報や手続きを自動で検索・選択することが可能となる。
さらに、cotomi Actを活用したWebブラウザの拡張機能として動作するAIエージェントは、WebArenaベンチマークにおいて、人間の平均タスク成功率78.2%を上回る「80.4%」を記録している。
WebArenaは、実際のインターネット利用に近い環境で、ECサイトや掲示板、コラボレーション開発、コンテンツ管理、地図検索などを対象に、自然言語の指示通りにWeb操作できるかを評価するWebエージェントの指標。これらのタスクには、ページ遷移やフォーム入力、状態変更など、長い思考と複雑な操作が求められるため、AIにとって難易度が高く、従来のエージェントは40%~70%前後の成功率にとどまっていたという。











