Stable Diffusion入門 from Thailand 第32回
【無料】動画生成AI「Wan2.2」の使い方 ComfyUI設定、簡単インストール方法まとめ
2025年09月08日 17時00分更新
EasyWan22でI2Vを試す
初期状態ではデフォルトのワークフローが表示されているので、左側サイドバーから「ワークフロー」を開き「Easy/00_I2V_ImageToVideo.json」をダブルクリックで実行。
巨大なワークフローが表示されるが、今回利用するのは「画像入力」「動画出力」「プロンプト」の3箇所だけなので安心してほしい。
まずは左の方にある「画像入力」ブロックを探し、見やすいように拡大しよう。
「StartImage、開始画像を設定」ノードにあらかじめ用意しておいた開始画像をドラッグ&ドロップでロードする。なお、このブロックで終了画像を設定することも可能だ。その場合、Enable EndImageをオンにしておく必要がある。
次に「動画出力」ブロックに移動。
今回変更したのは赤で囲んだ4箇所だ。
「SizeType」では生成する動画が正方形か長方形かを指定する。今回は長方形なので「EnableLongSide」を選択。もちろん正方形の場合は「EnableSquareSide」だ。
「BaseFrameRate」ではフレームレートを選択。今回はデフォルトの18から24にアップ。
「Size Px」では動画のサイズを指定。長方形の場合は長辺の値、今回は896を入力。
「Seconds」では動画の秒数を指定。デフォルトは5秒だがここは3秒に変更。
最後はプロンプト、「TranslateInput」ノードに日本語で入力すると自動的に英語に翻訳してくれる。下記のプロンプトを入力して生成開始だ。
プロンプト:若い女性が首を少し傾げて微笑む。自然な動き。映画的な雰囲気。背景はぼかし。
下記が生成された動画。おお、これはうまくいったのではないだろうか。
生成にかかった時間は4分強、これなら実用的と言ってもいいだろう。
なお、生成された動画のデータは「Output」フォルダー内に保存されている。
EasyWan22ではRTX 4070(12GB VRAM)環境でもI2Vが安定動作し、出力結果も良好だった。TI2V-5Bより高速で、ローカル環境でI2Vを試すなら有力な選択肢といえる。
まとめ:まずは動かしてみるところから
今回はRTX 4070(12GB VRAM)環境で、ComfyUIの公式ワークフローとEasyWan22を使い、Wan2.2のT2V・I2Vを動かしてみた。公式ワークフローではT2Vは動作したものの、I2Vは5Bモデルではやや不安定だった。一方、EasyWan22では量子化されたA14Bモデルを使えたおかげで、I2Vも安定して動作し、描画時間も4分強と実用的な速度に短縮された。
今回は動作確認にとどまったが、Wan2.2をローカルで活用する方法はさらに多様だ。例えば、GGUF量子化モデルを使えばより低VRAM環境でも実行可能になり、LoRAを組み合わせれば生成速度を高速化できる。解像度やフレーム数を調整して軽量化するのも現実的なアプローチだ。
また、Wan2.2には周辺技術も充実している。Fun Controlでポーズや深度マップを使った動作制御、Fun Inpaintで始点・終点画像を補間してトランジション動画を作成、Fun Cameraでパンやズームといったカメラワークを指定することもできる。これらを活用すれば、単なる動画生成から一歩進んだクリエイティブ表現が可能になるはずだ。
まずは公式ワークフローやEasyWan22で「動かす」体験をしてから、これらの周辺技術や軽量化の工夫に挑戦すると理解が深まり、Wan2.2のポテンシャルを最大限に引き出せるだろう。

1969年生まれ。ウェブサイト制作会社から2003年に独立。雑誌、書籍、ウェブサイト等を中心に、ソーシャルメディア、クラウドサービス、スマートフォンなどのコンシューマー向け記事や、企業向けアプリケーションの導入事例といったエンタープライズ系記事など、IT全般を対象に幅広く執筆。2019年にはタイのチェンマイに本格移住。
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