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プロフェッショナルへ捧ぐ“怪物”―AMD Ryzen Threadripper 9000シリーズ搭載PC、国内BTOメーカーから一挙集結

2025年09月13日 10時00分更新

文● ハイサイ比嘉 編集●北村/ASCII

提供: 日本AMD

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AMDの佐藤氏にThreadripperの真価を訊く!

 AMD Ryzen Threadripper 9000シリーズがクリエイターに最適な理由や、最高の性能を引き出すコツなどを、日本AMDマーケティングスペシャリストの佐藤美明氏に聞いた。性能要素の核心を引き出すには、製品に一番詳しいAMDの中の人に訊くのが一番だからだ。

日本AMDマーケティングスペシャリストの佐藤美明氏

――新世代の“9000シリーズ”で、何がどう変わったのですか?

【AMD佐藤】最新世代AMD Ryzen Threadripper 9000シリーズは前世代の7000シリーズと同じsTR5ソケットのため、前世代からはBIOSをアップデートするだけで使用できる互換性を確保していますが、パフォーマンスは違います。

 9000シリーズのZen 5アーキテクチャーは前世代 Zen 4アーキテクチャーと比べて、IPCはクリエイティブワーク系ベンチマークで16%、AI & ML系ベンチマークで25%の性能向上が図られています。

 これはZen 5になってコアの設計や製造プロセスの進化によって実現しており、PRO 9000WX シリーズ、9000(無印)シリーズともに全製品の最大ブーストクロックが5.4GHzに向上し、CPU内部のキャッシュメモリーはL2+L3で最大480MBという競合製品を大幅に上回る容量を確保しています。

 そして重要なのが、Ryzen ThreadripperシリーズはCPUのコア数だけが注目されますが、プラットフォームとしてもとても強力なスペックを持っています。PCIeレーンは5.0対応だけでも最大128レーンを備え、メモリーも最大8チャンネルのうえ、9000シリーズは最大6400MHz(DDR5 ECC RDIMM)に対応しており、これらも競合製品を上回っています。

 この結果、あらゆるワークステーション用途で最高のパフォーマンスを発揮でき、96コアを備えたRyzen Threadripper PRO 9995WXはCPUレンダリングやコンパイリング、あるいはAIの処理などで高いパフォーマンスが期待できます。そのような作業を並行して実行するような使い方も良いと思います。

 64コアのPRO 9985WXや9980Xは、基本はPRO 9995WXと同様に多くのコア数を必要とする処理に向いていますが、作業内容や予算に応じて選んでいただければ良いです。

 32コア以下の製品は特にプラットフォームを意識したスペック、コア数はそこまで多くなくて良いけれど、例えばマルチGPUやRAIDカードなどの拡張カードを増設する用途で選ぶ方もとても多いです。

――このCPUは、クリエイターや開発者の“時間”をどう変えてくれますか?

【AMD佐藤】Ryzen Threadripper 9995WXと7995WXと比較した場合、CPU中心のワークロードでAutodesk MAYAで17%、V-RAYで20%、Adobe After EffectsやKeyshotは26%の作業速度が向上し、Deepseek R1を使ったベンチマークでも最初のトークンまでの待ち時間やトークン数で20%以上の差が開いています。

 20%前後の性能差は作業時間や運用コストの短縮、あるいはリテイク数を増やすことで制作品質を高めることができ、大きなメリットになります。

 そして、GPU中心のワークロードでも高い性能を発揮でき、競合の最上位製品や旧世代の製品と比較した場合は2倍以上の性能差が出ることもあります。その結果、ワークステーションの削減も視野に入れることができ、機材やソフトウェアライセンス、運用コストを考えると年間数十万から数百万円のコスト削減も可能かもしれません。

――最高の性能を引き出すための“コツ”はありますか?

【AMD佐藤】マザーボードは必要なメモリー容量や追加のPCIカードの有無によって判断していただければ良いと思います。多くのメモリー容量やPCIカードの増設が必要であればAMD WRX90チップセット搭載製品がお勧めです。そうでなければTRX50 チップセット搭載製品が良いでしょう。

 冷却については一部の空冷CPUクーラーも対応していますが、やはり水冷クーラーがオススメです。今のオールインワンタイプは信頼性が高いものばかりなので安心です。その中でもクーラーヘッドの受熱部ができれば四角く、CPU全体を覆うことができる製品が良いと思います。

 もちろん、ケース全体の冷却も重要で、水冷クーラーを選んだ場合はメモリー周辺に空気の流れができるようにファンの配置を意識してください。

――日本のプロフェッショナルへメッセージをお願いします

【AMD佐藤】今ワークステーション市場は拡大の一途をたどっています。クリエイティブワークでは高解像度・大容量データの取り扱いが増加し、さらに言語モデルの小型化などによりローカル環境でAIを処理する機会が増えてきているのが理由です。

 これらをクラウドではなくローカルで扱うことによって、インスタンス・ネットワークコストを削減やデータ漏洩のリスクを下げられることも背景にあります。

 以前に増してワークステーションに求められる性能・環境が多岐に広がっています。このような状況で、AMD Ryzen Threadripper 9000シリーズは、コアの数やクロック速度、メモリー容量や速度、PCIeレーンの数、システム全体の安定性、ローカル環境による安全性など、あらゆるニーズに応えられるCPUであり、プラットフォームとしてこれ以上のものはない最高の選択肢なのです。

 PC 自作が好きな方はRyzen Threadripper 9000シリーズのシステムを組むことは最高の醍醐味を味わえると思いますし、自作が心配な方はカスタマイズも可能なラインナップを持ったBTO PCメーカー製モデルも複数ありますので、ぜひ各社の販売ページも参考してください。

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