Lepton Hydro WSZ890 Cubeをレビュー
RTX 5070 Tiでも約39.1dBと静かなデュアル水冷の小型ワークステーション、4Kゲーミングも快適
2025年08月31日 10時00分更新
CPUの電力設定と性能をチェック
まずは「Cinebench 2024」でLepton Hydro WSZ890 Cube
のCPU性能をチェックする。このベンチマークソフトは、CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるもの。結果は「pts」という独自単位のスコアーで表示され、この数値が大きければ大きいほど、高性能なCPUとなる。
テストは全コア/スレッドを使用する「Multi Core」と、1つだけ使用する「Single Core」の2つ。テスト時間は、10分以上のループとなる標準設定のまま試している。
結果はMulti Coreが1874pts、Single Coreが134ptsだった。試用機材のCPUはCore Ultra 7 265KのGPU機能を省いたCore Ultra 7 265KF。Core Ultra 7 265Kの過去データを見てみると、Single Coreはほぼ同じだが、Multi Coreは2000ptsを超えているものもあるため、若干見劣りする。
ただし、これには理由がある。それは、CPUの電力制限が異なるためだ。Core Ultra 7 265K/KFの電力制限は、プロセッサーのベースパワー(PL1)が125W、最大ターボパワー(PL2)は250Wが標準だ。
インテルの公式サイトによれば、Core Ultra 7 265KFのプロセッサーのベースパワー(PL1)は125W、最大ターボパワー(PL2)は250W。これはCore Ultra 7 265Kも同じだ
単純に性能だけを求めるなら、常時PL2で動かせるほうが強い。しかし、同じ仕事量をPL1で動かした場合と比べ、消費電力の合計が大きく増えてしまう。そのため、短時間で済む処理はPL2で動かし、長時間の高負荷処理になるならPL1に切り替えて電力効率を重視する、という動作が一般的だ。
そして、この電力制限はPCメーカーがカスタマイズできる。つまり、冷却性能に優れたCPUクーラーを搭載しているのであれば、電力制限を引き上げることもできるわけだ。実際、Core Ultra 7 265K/KF搭載PCの多くは、電力制限を引き上げられている。
例えば、Cinebench 2024のMulti Coreテストで2000ptsを超えるようなものは、PL1が250WとPL2相当で動作する設定になっていることもある。しかし、インテルの標準設定以上で安定動作させる場合は、大型のCPUクーラーや強力なファンを搭載できる大型PCに限られる。
では、小型PCのLepton Hydro WSZ890 Cube
では、この電力制限はどうなっているのだろうか。モニタリングツール「HWiNFO64 Pro」を使って確認してみたところ、PL1が標準の125Wではなく、159Wにまで高められていた。
なお、上記の画像はCinebench 2024のMulti Coreテスト終了直前の状態だ。CPUパッケージ温度の平均は85度と、若干余裕を残しつつ、しっかりとその実力を発揮していた。ただし、CPU温度が100度を超え、サーマルスロットリングによる速度制限がかかった形跡もある。とはいえ、割合としては1%なので短時間。動作が不安定になるほどではない。
ちなみに、PL1を159Wに設定したCore Ultra 7 265K搭載PCの過去データを見ると、Multi Coreが1892pts、Single Coreが136pts。試用機のスコアーはこの結果とほど近いので、問題なく運用できていると言える。
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