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Google検索のAI化は"悪"なのか?「クリックの質は向上」グーグルが反論

2025年08月08日 17時00分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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 グーグルは8月8日、検索サービスに導入したAIによる概要やAIモードが、ウェブサイトへのトラフィックに与える影響についての見解を示した。AIによる回答生成機能の導入後もウェブサイトへのクリック総数は安定しており、むしろクリックの質は向上していると報告している。

AIがもたらすのは"量より質"への転換

 同社によると、AIによる概要(AI Overviews)やAIモードの導入以降、ユーザーはより長く複雑な質問を検索する傾向が強まったという。AIが生成する概要には、従来よりも多くの参照元リンクが含まれており、結果としてウェブサイトがユーザーの目に触れ、クリックされる機会は増加していると説明する。

 一方で、一部の第三者機関からはトラフィックが大幅に減少したとのレポートも出ている。これに対し同社は、そうしたレポートの多くが不完全な手法やごく一部の事例に基づいているか、AI機能導入前の変動を分析対象としている可能性があると指摘した。

 クリックの質が向上している理由として、「次の満月はいつ?」のような単純な質問ではユーザーはAIの回答に満足するかもしれないが、より深く情報を求める質問では、AIの概要を読んだ上でさらに詳細を求めてウェブサイトをクリックする傾向があるためだという。こうしたクリックはユーザーの意図が明確であるため、ウェブサイトにとってより価値の高いトラフィックになると分析している。

 また、近年のユーザートレンドとして、フォーラムや動画、個人の投稿といった一次情報や当事者ならではの視点を求める傾向が強まっていることにも言及。詳細なレビューや独自の考察といった、ユーザーの学びに役立つコンテンツを持つサイトは、トラフィックが増加する傾向にあるとした。

 グーグルはAI体験の構築において、「ウェブかAIか」ではなく「ウェブもAIも」両立させるアプローチを強調。AIによる回答には出典元のリンクを目立つように表示し、ウェブサイト側が検索結果での表示方法を管理できるオープンウェブプロトコルを尊重する姿勢を崩していない。AIはウェブが飛躍する好機であり、クリエイターがより多くの読者に情報を届ける手助けになると信じているとして、今後もウェブエコシステムの健全性維持に努めていくと締めくくった。

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