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Qobuzを聴くならこだわりたい、再生機器と再生環境 第1回

Qobuzとは何か、ハイレゾ配信している話題のストリーミングサービス

2025年08月02日 17時00分更新

文● ASCII 試聴コメント●麻倉怜士

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Qobuzの楽しみ方

 Qobuzはスマートフォンのアプリやパソコンのブラウザーなどからも楽しめる。つまり、パソコンやスマホにUSB DACなどの機器を接続して高音質化を目指せるわけだ。

 単体のネットワーク・プレーヤーは、Qobuz試聴の王道だ。対応する機器を用意するコストはかかるが、オーディオメーカーが手がけ、その基準でまとめた音質と品質ということで安心感があるし、導入自体も手軽だ(一般的な単品コンポのネットワークプレーヤーを設置するのと変わらない)。

 Qobuz対応のネットワーク・プレーヤー製品はLINNやLUMINはもちろん、Eversolo、ティアック、Volumio、WiiM、Sforzatoなどこれまで多くのネットワークオーディオ機器を手がけてきたブランドから登場している。

LINNなどのネットワーク・プレーヤーは、LINNの専用アプリが用意され、そこてQobuzがコントロールできる。Qobuzアプリで作成したプレイリストも可動だ。

 またQobuzコネクトというサービスが始まり,パソコンやスマホ、タブレットのQobuzアプリから、コントロールできるネットワークプレーヤー機器も増えている。例えばデノン、マランツ、ティアック,エソテリック、JBL,ラックスマン……のネットワーク・プレーヤーなどがそれ。機能が充実しているQobuzアプリから直接,動作させられるのは、とても便利。

 また、これは上級者向けと言えるかもしれないが「Roon」や「mconect」などのソフトを活用することで、Qobuzで配信している楽曲を対応するオーディオ機器に送って再生する仕組みを作ることも可能だ。

 本記事ではこうした製品の中から、TEACの「NT-505X」、Volumioの[Primo」、Eversoloの「DMP-A6」をピックアップして試聴した。そのインプレッションは後編でお届けするので参考にして欲しい。

ネットワークオーディオはノイズ対策がすべてである

 そんなQobuzを十全な音質で楽しむためには準備も必要だ。良い機器を選べばそれで完了するわけではない。各種ケーブル(通信系、電源系、信号系)から流入するノイズをいかに減らすかが、ストリーミング再生ではもっとも重要タスクと言える。

 従来の音源機器、例えばCDプレーヤーであれば、メーカーの設計段階で機器自体のノイズは最小限に抑えられるノウハウが盛り込まれている。音源メディアであるディスク(CD)もそれ自体がノイズの発生源にはなりにくい。しかし、ネットワークオーディオの場合は環境のすべてからノイズが襲ってくるので注意が必要だ。

 デジタル信号を伝送する際には、データの損失やエラーが発生しないようにするための仕組みが多く用いられているが、家中の電気機器や配線から生じる各種の外来ノイズが、LANケーブルに乗って再生に影響を与えることがある点は厄介だ。もちろん従来のオーディオ機器同様、電源ラインから来るノイズも問題となる。

 こうしたノイズがなくならなければ、Qobuz本来のクオリティでは聴けない。

 そこでオーディオファンの間で最近関心を集めているのが、ネットワークプレーヤーとハブやルーターの間にアイソレーターと呼ばれる機器を追加して、間に混入するノイズを低減する対策だ。電気信号を一度光信号に変換するなどして、信号に乗ったノイズを物理的にさえぎるというわけだ。

 この記事では、こういったアイソレーターの効果を聞くとともに、Qobuzに対応したオーディオ機器の再生にどのような影響が出るかについても見ていくことにした。

 ネットワークオーディオを始めたばかりの人の多くは、機器をよくあるOA用のケーブルで単体やルータ内蔵のハブに直挿ししているかもしれない。しかし、一連のテストを通じて確認したのはQobuzを楽しむには環境整備がいかに大切であるということである。

 ルーターへの直挿しでは、Qobuzが持つクオリティの数万分の1程度しか出せないだろう。しかしながら、対策を積み重ねる取ることで驚くほど、Qobuzが持つ本来クオリティに近づき、音質を向上させることが可能になる。そのためには、ケーブル、ハブ、間に挟むアイソレータなどの選択も重要になる。

 以上が、Qobozの高音質なハイレゾ音源をHi-Fiの品質で楽しみたい人に向けた基礎知識的なまとめとなる。ここからは機器を実際に試聴した取材の結果を交えながら、さまざまな製品を取り上げ、その実力や効果について見ていくことにする。

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