大分県知事と東尾理子氏がゲスト登壇、「Zoom Experience Day Summer」基調講演レポート
Zoomで広がる次世代の“つながり” 大分県は「新モデルの遠隔教育」で質の高い学びを届ける
2025年07月25日 08時00分更新
TGP:“正しい月経の知識”を全国に届けるプロジェクト
続いて、プロゴルファーであり、NPO法人TGPの理事長も務める、東尾理子氏が登壇。TGPが、Zoomを使って全国に届けているのが「月経教育」である。
TGPは、東尾氏が不妊治療において抱いた「正しい月経の知識をもっと早く知りたかった」という想いから活動を始めている。
プロゴルファーとして日々練習に打ち込んでいた東尾氏が、出産を意識するようになったのは30歳を過ぎた頃。その後、石田純一氏との結婚、不妊治療を経て子供を授かる。その経験を基に「不妊治療や月経教育がオープンに話しづらい」社会を変えるべく、当事者支援や啓発活動に取り組んできた。
日本人は、月経や生殖の知識が著しく低いという。東尾氏は、「『子供っていつでも授かれるんじゃないの』『妊娠適齢期なんて知らなかった』という、かつての私の声は、不妊治療をしている人達の声でもあった」と支援活動を振り返る。この状況はデータにも表れており、日本における不妊治療の実施件数は他国と比べて飛びぬけて多い一方、不妊治療による出生率は最下位という状況に置かれている。
TGPが展開する活動のひとつが、学校の女子トイレに生理用ナプキンを設置しながら、月経教育を届ける「4 for 1」というプロジェクトだ。参加企業のオフィスや店舗にナプキンを設置してもらい、社員や顧客が4枚使用するたびに、1枚のナプキンが学生に寄付される仕組みとなっている。
TGPがこれまで届けたナプキンは、積み重ねると“東京タワー8本分”に相当し、月経教育の授業を受けた生徒は4000人を超えている。寄付するナプキンケース(ナプキンを入れる衛生的な箱)には、産婦人科医の監修した月経に関するメッセージを記載し、「なにげなく知識が得られるような」工夫も凝らしているという。
この月経教育の授業にZoomが活用されている。Zoomを利用することで、地方の学生にも授業が届けられ、教室に行くことができない両親も一緒に参加できたり、録画を見られたりする。
東尾氏は、「生理・妊娠・出産の知識は、子供だけではなく、大人も学ぶ必要がある。気づくことは未来を変える力となり、知ることは人生の選択肢を広げていく。私も『もっと早く知っていれば違う選択をしていたかもしれない』と思うと、いろいろな選択肢から自分の意思で選び取り、自信を得ることが大切」と語った。
Zoomユーザー同士が“つながる”コミュニティも
キーノートの最後には、Zoomを利用するユーザー同士をつなげる場所として、「Zoom Community」も紹介された。日本でのユーザーコミュニティは今年(2025年)立ち上がったばかりで、リアルイベントを開催する理由も、ユーザー同士の接触機会を増やしたいからだという。
Zoom Experience Day Summerにおいても、ブースが展開され、イベントに登壇した企業を含めて交流が行われていた。







