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年次イベント「DASH 2025」を開催、AIエージェント群も発表

Datadog CEO「オブザーバビリティをAI領域にも拡大」と戦略を語る

2025年07月15日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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Datadogが開催した年次イベント「DASH 2025」の会場

 Datadogが2025年6月、米ニューヨークで年次イベント「DASH 2025」を開催した。オブザーバビリティ領域からスタートした同社は現在、セキュリティなど他領域にも事業を拡大しつつある。同イベントでも「Bits AI」ブランドでSRE、開発、セキュリティ分析を支援するAIエージェントが発表されたほか、内部開発者ポータル(IDP: Internal Developer Portal)も発表した。

 この記事では、会期中に開催された記者向けのラウンドテーブルで、Datadogの共同創業者でCEOを務めるオリビエ・ポメル氏が語った内容をまとめる。

Datadogの共同創業者でCEOを務めるオリビエ・ポメル(Olivier Pomel)氏

売上高は25%成長、顧客数は3万社超えと好調なビジネス

 Datadogのビジネスは好調だ。2025年第1四半期(1~3月期)の売上は、前年同期比で25%増となる7億6200万ドルだった。現在の顧客企業は3万社以上を数え、そのうちARR(年間経常収益)10万ドル以上の大口顧客は3770社と、前年比で13%増加している。今年7月には「S&P 500」インデックスにも組み込まれた。

 同社では売上の約30%をR&Dに投資している。中でも「AIおよびAI周辺領域のビジネスが、今後数年間の市場成長を牽引する」(ポメル氏)という見方からAI投資には積極的で、「ほぼすべてのチームにAIイニシアティブがある」と説明した。

「AIインフラ運用」「モデル監視」「コード生成検証」と包括的なAI戦略

 注力するAIを、具体的にDatadog製品でどう活用していくのか。その問いに対しては“4つの切り口”を打ち出した。

 まずは「顧客のAIインフラの運用支援」だ。ポメル氏は、GPUやエンベディング専用データベースといった「“AI専用のクラウドインフラ”という新しいカテゴリが生まれつつある」ことを指摘する。今回のDASHで新たに発表した「GPUモニタリング」のように、AIインフラの設定とモニタリングを支援する機能を展開していく方針だ。「Datadogの顧客には、CursorなどのAIネイティブ企業が多い。AIインフラ支援の分野ではさまざまなことを行っていく」(ポメル氏)。

Datadogが新たに発表した「GPUモニタリング」のダッシュボード

 2つ目は「モデルの監視」。ポメル氏は、AIアプリの“非決定論的な性格”(同じ入力を与えても、必ずしも毎回同じ結果が得られるとは限らない特徴)を指摘したうえで、「LLMを使ってアプリを構築する企業は、モデルの安全性を確認し、想定どおりに動いているかどうかを理解しなければならない」と述べる。Datadogでは昨年「LLM Observability」を発表したが、今回のイベントでは新たに「AIエージェントモニタリング」などを追加し、監視機能を強化した。

「LLM Observability」の一般提供開始にあわせて、異なるモデルのパフォーマンスを容易に比較できる「Experiments」などの機能強化が加わった

LLM Observabilityの新機能「AI Agent Monitoring」

 3つ目は「コード生成でのAI活用」。AIによるコード生成技術が急速に進化/普及しているが、それに伴って「コードの検証、動作の安全性、開発者とのインタラクションといった点で、新たな課題が出てきている」と指摘する。「(コーディングの)パイプライン全体の再設計が求められている」(ポメル氏)。

 最後の4つ目は「これまで不可能だった作業の実現」だと述べた。具体的には、AIエージェントによる自律的なタスク実行を指している。

 「今年のDASHでは、『Bits AI SRE』『Bits AI Security Analyst』『Bits AI Dev』という3種類のエージェントを発表した。これまでは、何か問題が発生したときにAIが行動を起こすといったものだったが、よりプロアクティブに問題を防ぐ。(これらのエージェントは)ときには人の介入が不要なレベルにまで(自律性が)高まりつつある」(ポメル氏)

発表されたAIエージェントのひとつ、「Bits AI Dev Agent」は開発支援アシスタント。ソースコードに含まれる問題を検出、診断し、修正を支援する

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