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ユニリタとユーザックシステムがセミナーを開催

AI全盛期のDX推進と業務自動化を成功させる カギは業務可視化とRPAとの連携

2025年07月18日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

提供: ユーザックシステム

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業務の可視化と整理整頓を実現するRanabase

 これらの失敗を防ぎ、DXを成功させるためには、「業務の可視化と整理整頓」が不可欠だと両社は強調する。

 まずは業務プロセスの可視化。ユニリタが提供するRanabaseは、業務プロセスの可視化と整理を体系的に行なうためのツールだ。ユニリタ クラウドサービス 事業本部 データイノベーション部 フィッティング&コンサルグループ 松岡 親司氏がRanabaseによる業務の可視化について説明する。

ユニリタ クラウドサービス 事業本部 データイノベーション部 フィッティング&コンサルグループ 松岡 親司氏

 Ranabaseの特徴は体系的な可視化が可能なところ。業務領域をレベル1(営業、製造、経理など)から詳細な業務フロー(採用、労務、給与など)まで階層的に定義し、担当者の仕事レベルまで落とし込むことができる。これにより、人に依存しない業務オペレーションの可視化が可能になる。

 また標準化された表記ルールにより、各業務における「誰がやるか(ロール)」「開始条件(イベント)」「何をするか(ファンクション)」を明確にし、データがどのように入力から出力へと流れていくかを把握できる。加えてRPAなどのツールが関わるテクニカルな処理フローも詳細に記述でき、RPA導入後に陥りがちなブラックボックス化も防げるという。

RPAの利用箇所を可視化することで、ブラックボックス化も防げる

 さらに、各業務ステップにかかる時間や工数、組織間の引き継ぎ回数(ハンドオフ回数)などを登録・集計することで、業務の定量化も可能になる。これにより、自動化率、属人化率、削減時間などの指標を用いて、DX推進の「成績表」として効果を評価・測定することができる。こうして可視化された業務フローをもとに、無駄や非効率な箇所、属人化している箇所、システム化すべき箇所などを特定できる。

 また現場からの意見を「付箋」として貼り付け、課題設定や対応策の検討に活用することで、関係者全員で業務改善の方向性を合意形成することも可能だ。

 最後に、Ranabaseの費用感について紹介された。Ranabaseは日本の中小企業のニーズに合わせて、可視化機能に特化し、導入しやすい価格設定(編集者5名、閲覧者10名の場合、年額7万2000円から)で提供されている。月額換算で1人あたり1200円程度で始められるため、スモールスタートが可能だという。

業務自動化を実現する「Autoジョブ名人」

 続いてユーザックシステムの「Autoジョブ名人」は、可視化された業務を自動化するためのRPAツールになる。

 Autoジョブ名人はシステムに不慣れな人でも自動化シナリオを作成しやすい画面と、熟練者向けの画面の両方を提供している。なにより安定稼働を重視しており、エラー発生時には「ドラレコ機能」で前後状況を記録したり、メール通知を行なう機能も備わっている。

ユーザックシステムのAutoジョブ名人

 また、自動化によって削減された時間やコストを定量的に表示する機能があり、RPA導入の成果を明確に可視化できる。東條氏は、多くのRPAプロジェクトで、効果の「見える化」が不十分なために、その価値が社内で正しく評価されず、継続的な活用や次のアクションにつながらないケースがあることに触れ、「Autoジョブ名人のこの機能が経営層への報告や、次の自動化アクションの検討に役立つ」とアピールする。

 自動化の実績も豊富だ。ユーザックシステムはRPAという言葉が生まれる20年以上前から業務自動化に取り組んでおり、1400社以上の導入実績があるという。特に受発注業務や総務・人事業務の自動化に強みを持っており、効果を得た事例も多いという。

RanabaseとAutoジョブ名人の連携による業務改革の実践法

 両者はこの2つのツールを組み合わせることで、効率的かつ継続的な業務改革が実現するとアピールする。

 まずはRanabaseを使って、業務プロセスを詳細に洗い出し、可視化。可視化された業務の中から、「定型化されている」「頻度が高い」「負荷が大きい」という3つの基準で、自動化すべき業務を優先的に選定する。その後、Ranabaseで把握した業務フローをもとに、Autoジョブ名人を使ってRPAシナリオを設計し、自動化を実装する。

RanaBaseとAutoジョブ名人との連携

 もちろん、運用にも両者の連携はメリットをもたらす。Ranabaseで業務ステップの一覧を確認し、どこが自動化され、どこが残っているかを見える化することで、さらなる改善や自動化につなげられる。このプロセスをPDCAサイクルで回すことで、業務改善の質と精度を高めることができる。

 製造業のケーススタディも披露された。食品メーカーB社では、Ranabaseで業務を可視化・棚卸し、Autoジョブ名人でFAX注文書処理を自動化。お客さまからは、Ranabaseを使うことで業務フローの記述や整理整頓が非常に簡単になったとの声が聞かれたという。結果、1件あたり10分以上かかっていた処理が2分以内で完結できるようになり、午前中の受注業務の効率が大幅に改善されたという。

 水原氏は、最近話題のAIエージェントも、「業務フローが可視化されていないと効果を発揮できない」と警告する。AIに業務を適切に教え込むために、「日本企業のふんわりしたところをAIで実現するには、こうした業務フローの可視化が必要だと考えています」と語る。業務フローを可視化した上で、人手のマニュアル作業を確実にこなすRPAと、人間の指示に対して自律的に動作するAIが連携した「高度な自動化」の実現はすぐそこまで来ている。なお、セミナーは以下のアーカイブサイトで視聴できる。

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