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グーグルのAIは「心の処方箋」になるか? メンタルヘルスケアの民主化を目指す2つの取り組み

2025年07月08日 17時45分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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 グーグルは7月7日(現地時間)、AIを活用してメンタルヘルス分野の治療と研究を支援する2つの新しい取り組みを発表した。世界では数十億人もの人々が適切な治療を受けられない精神衛生上の課題を抱えており、特に低・中所得国ではその傾向が顕著だという。同社はAIベースのソリューションを探求することで、科学的根拠に基づいた質の高いサポートへのアクセスを誰もが享受できる世界の実現を目指す。

AI活用でメンタルヘルスケアをより身近に

 最初の取り組みは、メンタルヘルス関連機関を対象としたAI活用のための実践的なフィールドガイドの作成だ。このガイドは、Grand Challenges CanadaおよびMcKinsey Health Instituteとの提携により制作された。臨床医のトレーニング強化、サポートの個別化、ワークフローの合理化、データ収集の改善といった領域で、AIを責任を持って活用するための基本概念やユースケース、考慮事項を提示する。

 2つ目の取り組みとして、Google for HealthとGoogle DeepMindは、世界最大級の慈善団体であるウェルカム・トラストと提携し、不安症、うつ病、精神病の治療を目的としたAI研究へ複数年にわたる投資を行なう。この資金にはウェルカム・トラストからの研究助成金も含まれており、これらの症状の細かなニュアンスをより正確、客観的、かつ個別的に測定する方法の開発や、新薬を含む可能性のある新たな治療介入の探求を支援する。

 グーグルは、より迅速なメンタルヘルスサポートの可能性を探ると同時に、未来のためのより良い治療法を開発するという2つのアプローチを組み合わせる。これにより、世界中のより多くの人々が必要なケアを見つけられるよう支援していきたい考えだ。

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