スマートウォッチですら1万円前後で買える今に
カシオのノンスマートな腕時計を5000円強で衝動買いした
昨今は、グーグルのWearOSではない1万円前後の安価なスマートウォッチが多く登場している。健康管理、運動トラッキング、通知機能などを備えたこれらのモデルは、もはやチープカシオ(通称チプカシ)やCASIOスタンダードといったデジタル腕時計と同列、あるいは競合する存在になってきた。
そんな中、筆者が今回あえて衝動買いしたのは、CASIOスタンダードの中でも異彩を放つモデル「CASIO AE-1200WHL」である。なお、今のところ日本国内では正規流通していない。また昨年11月に「CASIO Collection」として多機能デジタルウォッチ「AE-1200WH」が紹介されている。しかし、今回紹介するモデルとはストラップやベゼルのカラーデザインが多少異なっている。好みの問題ではあるが、筆者にとってはかなり大きな違いである。
“チプカシ”として注目を集める「CASIOスタンダード」
カシオの腕時計はG-SHOCK、OCEANUS、EDIFICE、PRO TREKなど、ブランドごとに明確な機能やデザインコンセプトを持っている。その中で「CASIOスタンダード」は、実用性と価格のバランスが取れたモデル群で、特にレトロなデジタル表示や過剰ともいえる多機能性が魅力だ。
その「CASIOスタンダード」の中でも、AE-1200WHLは特別な存在感がある。通称「カシオ・ロイヤル(Casio Royale)」とも呼ばれるこのモデルは、左上部に配置された“デジタルダイヤル”と呼ばれる円形の液晶画面がマルチセグメントで表示する、レガシーなアナログ風時計だ。
セグメントのオン・オフにより、時分秒の3針が無くてもデジタル的に現在時刻を表示するなんちゃってアナログ時計でもある。通常はホームタウンの時刻を常時表示する。
なんちゃってアナログ時計の右側には世界標準時のある英国を中心にしたグレー色の液晶表示の世界地図。現在のワールドタイムゾーンが縦に黒く表示される。令和のレガシー・スマートウォッチと言える逸品だ。主なスペックは、ワールドタイム表示、LEDライト、5つのアラーム、1/100秒ストップウォッチ、カウントダウンタイマー、12/24時間表示切替、オートカレンダー更新など、デジタル時計として十分すぎる機能を備えている。
ボタン型電池1つで10年使える、ある意味過剰な性能
本モデルが「カシオ・ロイヤル」と呼ばれるゆえんは、映画『007 カジノ・ロワイヤル』に登場する主人公が身に着ける腕時計のデザインとの共通性にある。
今回筆者は、過去にも何度か利用している通販サイト「たいようのとけいてん」にて購入。パッケージはカシオ純正のものではなく、専用の簡易パッケージに収められ、メール便で届く合理的なスタイルだった。同梱物は「CASIO AE-1200WHL」本体、お買い上げ感謝シート、多言語対応の分厚いユーザーガイド(厚さ約13mm)、10年バッテリーを強調するタグの計4点。
厚さ13㎜近くあるこの分厚いガイドには、日本語が一切含まれていない。カシオ正規の販売ルートでは国内流通はされていないので当然だろう。もしユーザーズガイドが必要な場合は「3299 モジュール」で検索することでカシオのウェブサイトで日本語のPDFマニュアルは容易に入手できる。
製造は中国。防水性能は10BAR(静止時100m防水)、使用電池はCR2025で、最大10年の長寿命を実現している。実際、ネット上の世界中にいるユーザの書き込み情報を見ると、「8~10年は持つ」「7年で表示が薄れた」「5年で切れたが頻繁にバックライトを使っていた」などの報告があり、中央値は約9年という信頼に足る数値が読み取れる。
この長寿命を支えるのは、超低消費電力設計である。マイコンのスリープ制御、STN型液晶、LEDライトの点灯時間制御など、あらゆる面で徹底した省電力化がなされているからだ。実際、内部のマイコンは使用時以外ほぼ停止状態にあり、電力消費は最小限に抑えられている。
ディスプレーには、左上にアナログ表示(時分秒)、右上には世界地図と現在ゾーンのインジケーター、その中央には「10 YEAR BATTERY」の誇らしげな表記がきれいにレイアウトされている。

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