導入した白十字会が語る「全員周知」「正確さ」「スピード」「記録」の効果
もう導入1700社突破!? 「LINE WORKSラジャー」がはたらく現場で受け入れられる理由がわかった
2025年12月12日 09時00分更新
2025年6月10日、LINE WORKSが主催する年次ビジネスカンファレンス「LINE WORKS DAY 2025」が開催された。今年はLINE WORKSの創立10周年という節目を迎え、「GO NEXT!」をテーマに、次の10年に向けた新たなスタートを切るイベントとして開催された。
会場では、LINE WORKSや協賛企業のブースが出展し、多数の講演が行われた。今回は、その中からメインセッション2『導入社1700社突破! リアルユーザーに聞く、「LINE WORKSラジャー」が選ばれるワケ』のレポートを紹介する。
2024年2月のリリースから1700社突破と、急拡大している「LINE WORKSラジャー」
2024年2月にリリースされたインカムアプリ「LINE WORKSラジャー」(以下、ラジャー)が、わずか4ヵ月弱で導入1700社を突破し、急速に現場での活用を広げている。インターネット環境さえあれば距離の制約なく繋がり、音声がリアルタイムで文字起こしされ、かつ既存のビジネスチャット「LINE WORKS」とも連携する「ラジャー」は、現場のコミュニケーションにどのような変革をもたらすのだろうか。
本セッションでは、LINE WORKSでラジャー事業をリードする小田切悠将氏と、実際にラジャーを導入した社会医療法人財団白十字会(以下、白十字会)の担当者を迎え、導入の決め手や現場での具体的な活用シーンが語られた。モデレーターは、長年IT業界を取材してきた角川アスキー総合研究所のTECH ASCII.jp 編集長、大谷イビサ氏が務めた。
イベント告知時点の資料には「導入1000社突破!」と書いてあったのだが、どんどん契約者数が伸び、現在は1700社以上になっている。この驚異的な数字に、モデレーターの大谷氏も「1700社ってすごくないですか」と驚きを隠せない。
LINE WORKSラジャーとは?
「ラジャー」はスマートフォンをトランシーバーとして利用できる音声コミュニケーションアプリで、インターネット環境さえあれば距離の制約なく繋がり、複数人でリアルタイムに会話できるのが特徴。さらに、発話内容はAIにより自動でテキスト化され、トーク履歴として残る。逆に、LINE WORKSのテキストメッセージを音声で読み上げることもでき、現場とオフィスの円滑な連携を支援する。この新しいコミュニケーションツール「ラジャー」は、現場にどのような変革をもたらすのだろうか。
医療の現場でラジャーが使われる4つのポイント
今回、導入事例として登壇した白十字会は、長崎県と福岡県を中心に医療・介護・在宅サービスを展開する社会医療法人財団である。福岡地区では、急性期医療を担う「白十字病院」と回復期医療を担う「白十字リハビリテーション病院」の2院を構え、約1150名の職員が日々チーム医療を実践している。
その中で医療情報システムの選定・運用管理を担当する村上真一氏と、院内スマートフォンの管理などを中心に行う田中咲妃氏が、導入の背景を語った。
白十字会では、従来院内で使用していたPHSをiPhoneにリプレイスするのに伴い、現場の使いやすさを重視してチャットツール「LINE WORKS」を導入。そして2025年4月、白十字リハビリテーション病院内の通所リハビリテーションを対象に、インカムアプリである「LINE WORKSラジャー」を追加で導入した。決め手になったポイントは大きく4つ。
1つ目が、全員周知。病院スタッフは常に動き回りながら業務を行っているため、特定のスタッフが対応可能かどうかの状況把握が難しい。
「病院では何か相談したい、誰か助けてほしい、協力してほしい、という時に、誰に連絡をすればいいのかを予測することが、非常に難しい状況にあります。そこで、全員一斉に周知できるかどうかが、業務効率としてとても重要なポイントになります」(村上氏)
1対1の電話では相手が出られない可能性があり、次の人を探す手間が発生する。ラジャーであれば、一斉に呼びかけることで、その場で対応可能なスタッフがすぐに反応できるというわけだ。
2つ目が正確な伝達。医療現場において、情報の誤りは命に係わることもある。
「医療機関において、やり取りの間違いが重大なインシデントに繋がる可能性があるので、単に伝えるだけでなく、正しく伝達するということが重要です。伝言ゲームのように、人から人へ伝えるのではなく、伝えたい人同士がダイレクトにやり取りができる情報の正確性が必要になります」(村上氏)
LINE WORKSラジャーでは、音声でのやり取りがそのままテキストとして記録されるため、聞き間違いや伝言ミスを防ぎ、情報の正確性を担保できる点を評価したという。
3つ目が記録が残る点。医療スタッフは、コミュニケーションと業務を並行して行っている。そうなると、先ほど言われたことを度忘れしてしまうということが頻繁に起きるそう。また、その時だけでなく、日をまたいで連続性のあるサービスを提供しなければならないこともある。そんな時、ラジャーであれば業務上のやり取りが文字となって残っており、確認できる。
「特にこのやり取りが残るという点においては、LINE WORKSラジャーの文字起こしの精度にはとても安心感があります」と田中氏。
4つ目がスピード感。緊急時やイレギュラーな事態への対応スピードは、患者の健康や生活に直結する。
「特に緊急時、イレギュラー時は1秒でも早い対応が求められますので、なおさら伝言ゲームをやっている場合ではありません。距離に関係なく、どこにいても必要な人とすぐに声と声でやり取りできるというのは、まさにスピードに直結すると思います。」(田中氏)
これら4つの要件は、これまでビジネスチャットが担ってきた役割でもある。しかし、両手がふさがる作業中など、チャットの確認や入力が難しい状況のスタッフにとっては、その利便性を十分に享受できないという課題があった。小田切氏は、ラジャーがそのラストワンマイルを埋める存在だと語る。声というインターフェースを用いることで、これまでチャットを使えなかったスタッフも、これら4つの重要な要件を満たせるようになったのだ。















