カラオケを歌っている横で「ATOM AIMic Pro」を試してみる
次に、カラオケに入って、担当編集が熱唱している横でビデオ会議ができるかどうか試してみた。テスト方法は同じく、Meetの「Studio sound」設定をオフにして、「ATOM AIMic Pro」で文章を読み上げる。
何曲かテストしたが、音楽はものの見事にカットしてくれる。録画だけ見ていれば静かな部屋の用だ。ただし、歌っている部分の声はとぎれとぎれに入ってくる。人間の声だから当然と言えば当然かもしれない。とはいえ、筆者が話し始めれば、歌っている声は拾わなくなる。きちんとノイズキャンセルされた声が相手に伝わるものの、会話の区切りなどで少し時間があくと、またカラオケの声が混じる。
結論としては、カラオケの騒音レベルもカットできるが、人間の歌声は混じってくるという感じだった。
担当編集が熱唱する中でビデオ会議に参加してみた
この強力なノイズキャンセルは独立したAI駆動型ノイズ軽減アルゴリズムチップを内蔵したENC（Environmental Noise Cancellation）機能によるもの。そのすごさはしっかりと体験できた。しかし、轟音下でもビデオ会議に参加できる、というのも難しい。それは、オープンイヤータイプのヘッドセットなので外の音が普通に聞こえてしまうため、相手の声が聞き取れなくなってしまうのだ。路上程度なら普通に会話できるのだが、ガード下やカラオケルームだと無理。
さすがにこのような場所でビデオ会議に参加する猛者もいないだろう。しかし、問題なさそうな屋外でビデオ会議をはじめたのに、大音量の広告宣伝車が近づいてくる、という可能性はある。そんな場合も「ATOM AIMic Pro」であれば気にする必要はなさそう。大きな排気音を轟かす車が駆け抜けても、ビデオ会議の相手に迷惑がかからない。ビデオ会議では、自分の聞き取りやすさよりも、相手にストレスを与えないように気を付けるべきなので、「ATOM AIMic Pro」のノイキャン性能は頼もしい。
軽量＆オープンイヤー型なので長時間利用も負担が小さい
「ATOM AIMic Pro」の本体をチェックしてみよう。後頭部から耳にかけるタイプのオープンイヤー型で、重量は25gととても軽い。長時間利用しても耳が痛くなりにくいのはありがたい。周囲の音が適度に聞こえるので、声をかけられた時などもすぐに反応できる。
なお、バッテリー駆動時間は1.5時間の充電で6時間連続再生できる。最近は1日に何回もビデオ会議するという人も増えており、6時間でも足りないこともあるだろう。そんな時は、会議の合間や休憩中に充電すればいい。15分間充電できれば1時間再生できるので、バッテリー切れになることはないだろう。
「ATOM AIMic Pro」のケース。マイクやケーブルも収納できる
Bluetooth 5.4に対応し、最大12メートルの範囲でワイヤレス接続が可能。また、マルチポイント接続に対応しているのも大きなポイント。複数のスマホなどに登録できるマルチペアリングとは異なり、複数の親機にBluetooth接続できるのだ。つまり、「ATOM AIMic Pro」をPCとスマホに同時に接続し、利用できる。
例えば、PCでのビデオ会議中に着信が来たら、スマホの通話に切り替えてハンズフリー通話を続行できるのだ。他にも、PCで作業しているときに音楽を聴いていて、スマホに着信があったら切り替えて通話したり、仕事用とプライベート用のスマホにつないで同時待ち受けすることも可能。
本体のスイッチは左側に搭載されており、「＋」と「－」の二つだけとシンプル。「＋」を長押しすると電源が入り、ペアリングモードに入る。「－」を長押しすると、ペアリング設定をリセットできる。本体はIPX4の防水性能も持っているので、雨に濡れるくらいなら問題なし。
左耳側に2つのボタンを備える
マイクがマグネットで着脱式になっているのがユニークだ。装着するとマイクがオンになって会話でき、外すとミュートになる。磁力はなかなか強く、近づけると気持ちよくかちっとはまってくれる。
電車での移動中にビデオ会議に「耳だけ」参加せざるを得ないこともある。そんな時、ヘッドセットを装着していると人の目が気になってしまう。「ATOM AIMic Pro」ならマイクを外すだけで普通のヘッドセットに見えるようになるし、誤って通話状態になってしまうこともない。
マイクはマグネットで脱着できる
実際、「ATOM AIMic Pro」のノイキャン性能は高かった。新宿のガード下という、耳をつんざくような轟音の中でも、こちらの声だけをクリアに相手へ届けられたのには正直驚かされた。一方で、オープンイヤー型であるがゆえ、いくら自分の声がクリアに届いても、周囲の騒音が耳に入ってくるため、極端な騒音下で「ビデオ会議ができる」とは言い難い。この強力なノイズキャンセル機能は、予期せぬ騒音トラブルに対する保険として考えるとちょうどいいかもしれない。
外出先や騒がしいオフィスなど、ある程度のノイズが想定される環境で、相手にクリアな音声を届けたいビジネスパーソンにとっては、頼りになる一台と言えるだろう。突発的な騒音にもスマートに対応できるため、より安心してビデオ会議に臨めるはずだ。
