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オブザーバビリティで「名実ともにナンバーワン」を目指す2025年事業戦略

4大クラウドに対応したDatadog 国内では「オンコール」「AI」機能の訴求に注力

2025年03月26日 07時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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TED・NTTデータと新規パートナー契約、専門領域の連携も強化

 Datadogのパートナーエコシステムは、アライアンスを組む「クラウドサービスプロバイダー」と、再販を担う「チャネルパートナー」の2種類で形成される。

 まず、クラウドサービスプロバイダーにおいては、2024年9月にOracle Cloud Infrastructure(OCI)を正式にサポート。これにより、AWS、Azure、Google Cloudを含む4大クラウドのすべてを、オブザーバビリティでカバー可能になった。

 チャネルパートナーにおいては、認定資格試験を2024年に日本語化したことで、認定エンジニアの数が大幅に増加。アクセンチュアジャパンとも、新たなパートナーネットワーク契約を締結している。

 さらに、2025年3月には、東京エレクトロンデバイス(TED)と販売代理店契約を結び、両社で日本企業のクラウド移行に伴うコスト・運用の効率化を支援していくことを発表した。同日、NTTデータとのパートナー契約も発表、同社のSRE支援サービス「まかせいのう」やクラウド基盤「OpenCanvas」、運用サービス「iRES」などとDatadogを組み合わせ、統合的なオブザーバビリティソリューションを提供していく。

 2025年のパートナー戦略の重点分野としては、「専門分野のパートナーシップ強化」を挙げる。4大クラウドに対する専門性を持つクラスメソッドやアイレットとは、コマーシャル領域やミッドマーケット領域で連携を図る。そのほか、SRE領域のスリーシェイク、AI領域のアクセンチュアなどのコンサルティング・インプリメンテーションパートナーとの連携も深めていく予定だ。

2025年のパートナー戦略の重点分野

国内ナンバーワンのオブザーバビリティベンダーに向け

 冒頭触れたように、2018年の日本法人の設立以降、Datadogの国内のユーザー企業数は、約2000社まで成長している。

 顧客層別にみると、成長が顕著なのが金融や製造業を中心としたエンタープライズ(大企業)領域だという。ここ3年間で、金融領域のサブスクリプション売上は4倍、製造業の同売上は2.5倍と伸びている。

 たとえば、日本経済新聞社では、BtoBサービスや「日経ID」サービスなどの横断的な統合監視にDatadogを活用。SREチームを増やすことなく、複数サービスを運用することでコストを最適化し、原因調査の時間を最短5分に短縮している。

 また、SBI証券では、これまで利用してきた10個の監視ツールをDatadogに統合。国内株式の取引システムをはじめとするクラウド移行を進める中で、AWS環境を中心に2000から3000のリソースをDatadogで監視している。インシデントの解決時間は60%削減できたという。

日本経済新聞社の事例

SBI証券の事例

 2024年に専門組織を立ち上げたミッドマーケット(従業員1000人から5000人以下)領域でも、「ビジネスの手ごたえを感じている」と正井氏。たとえば、スクウェア・エニックスでは、開発・運用・企画の各チームが主要指標を共有するための基盤としてDatadogを導入。また、CCCMKホールディングスでは、迅速な問題解決と継続的な改善サイクルを推進する基盤としてDatadogを選定している。

スクウェア・エニックスの事例

CCCMKホールディングスの事例

 2025年には、ミッドマーケットに続き、西日本地域をカバーする専門組織を設立予定だ。大阪を拠点に、まずはエンタープライズ領域にフォーカスして、セールスおよびプリセールスを展開。関西地区におけるパートナーシップも推進していく。

 

 正井氏は、2025年の国内重点戦略を「日本市場への継続投資」「パートナービジネスの拡大」「日本市場でのトッププレゼンスの獲得」「既存顧客での利用・導入製品の拡大」「市場カバレッジの強化」を挙げ、社長就任時に掲げた「日本市場で名実ともにナンバーワンのオブザーバビリティベンダー」になるという目標に邁進していくと語った。

2025年の日本の重点戦略

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