人形が語りかけてくる春 「人形と絵の『春』展」で心のオアシスを満たそう

文●MOVIEW 清水

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 いよいよ春めいてきた3月。丸善 丸の内本店4Fギャラリーは人形たちによって春を表現する「第8回 人形と絵の『春』展」が開催されている。人形に旬はないものの、桃の節句のこの季節にやはり人形は似合う。この展示会では、人形と絵の作家たちがそれぞれのインスピレーションで春を表している。

 参加している作家は50人以上というスケールで、すべてを紹介することができないのが残念だが、今回は会場で目に止まった人形や絵を少し紹介しよう。

入り口では吉水たか代さん作の「プティボヌール(ちいさな幸せ)」と小暮千尋さん作の「DREAMY ROSE」がお出迎え

会場の様子

素材やスケールなど様々な手法で表現された人形たち

 一口に人形といっても、素材やスケール、ディスプレーの仕方、可動域など様々な形態がある。この展示会では作家の個性や技術、モチーフの捉え方など、多数のバリエーションがあり、見比べながら鑑賞するのも楽しかった。人形の展示は作家自身がその人形に合うようにディスプレーしている。

中川乃布子さん作の人形

紗矢香さん作の人形

JIUMYさん作の人形。写真ではわかりづらいが、横から見ると翼が体を包み込むようにカーブしている

ちゃおさん作の人形

吉水たか代さん作の人形

せいこさん作の人形

加藤美紀さんと松本潮里さんのイラスト

人以外をモチーフにした作品も楽しい

 この展示会では人以外をモチーフにした作品も多数展示されていた。人形とあわせて展示する作家もいれば、人以外の作品だけを展示する作家もいて、それぞれ個性あふれる作品を見ることができる。メインとなる人形もいい作品が多いが、こうした作品も見逃すには惜しい作品が多かった。

しろこまタオさんの作品。木版画

紗矢香さん作のドールサイズぷちきのこ。トルマリンでできている

ウエノミホさんの作品「ちいさな部屋」

田中早苗さんの作品。羊毛を使った鳥の丸みがかわいらしい

くりさんの作品「やわらかいねむり」

 ほんの一部しか紹介できなかったが多数の作品が展示されており、その手作り感や人形が訴えかけてくるやわらかさに、絵画などとは違う癒やし空間となっている。「第8回 人形と絵の『春』展」は3月18日まで開催されているので、丸の内という都市空間の中で、少しだけ癒やされに行ってみてはいかがだろうか。なお、会場内は撮影禁止なので、気に入った作品には心の中でシャッターを切ろう。

第8回 人形と絵の「春」展
会期:3月12日~3月18日
時間:9時~21時(最終日は15時閉場)
会場:丸善 丸の内本店 4FギャラリーA
住所:東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ4階
入場料:無料


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