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プロ野球やバスケで導入、リアルイベント連動型予想ゲーム「なんドラ」

2025年02月05日 06時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP

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 海外では試合の勝敗や選手の活躍を予想する許可制のコンテンツが人気になっている。日本では法律の問題で自由にお金をかけることは禁止されているが、スポーツの結果を予想し、その成績によってギフトが得られる無料サービスは複数登場し、人気を博している。そのひとつがスタートアップの株式会社なんでもドラフトが展開するスマートフォンアプリ「なんドラ」だ。

試合の勝敗や特定選手の活躍を予想して競う

「なんドラ」は、試合の勝敗や特定選手の活躍を予想するサービスだ。

 予想対象は試合だけでなく、例えば野球であれば「ホームラン」、「三振」といった打席ごとの結果など多岐にわたるのが特徴。月間また週間で予想成績によるランキングが発表され、成績に応じてポイントを獲得。そのポイントを一定数ためることで、ギフトと交換することができる――という仕組みだ。

 こうした「結果を予想してギフトを得る」となると、賭博の一部だと認識されるケースもある。そのため、「なんでもドラフト」では大手法律事務所と連携し、合法的な運営はもちろん提携スポーツチームやスポンサー企業へのブランドリスクも最小限にしている。また、完全無料で利用できるようになっており、プラットフォームの指定年齢以上であれば、未成年でも利用可能だ。

よりスポーツ観戦が楽しく、面白くなるサービス

「なんドラ」が生まれた背景について、「なんでもドラフト」の森井啓允代表は「もともとは友人とアメリカでファンタジースポーツや予想コンテンツに参加することでスポーツの楽しさや盛り上がりが倍増すると知り、その楽しさを日本でも広げられないかと思ったのがきっかけ」と話す。

 とはいえ、海外で実施されているモデルそのままでは、日本では賭博となってしまう。そこで、先述のように完全無料で展開するなど、法律を遵守する形で展開し、サービスの内容も「賭け事」というよりも、「成績を予想することでよりスポーツ観戦が楽しく、おもしろくなること」に重きを置いたものにしたという。

 その結果、「なんドラ」は幅広い年代が安全で安心して楽しめるスポーツとエンタメ予想アプリとして注目を集め、2022年にはスポーツ庁のアクセラレータープログラム「INNOVATION LEAGUE 2022」の採択企業に選出。また、日本最大級のオープンイノベーションイベント「Japan Open Innovation Fes 2023」でも、最優秀賞も獲得するなど高い評価を得ている。

大きな広がりを見せる「なんドラ」

 2022年から本格的に展開が始まった「なんドラ」だが、現在の状況について、森井代表は「まだ多くの人に楽しんでもらえていない」のが正直な感想だと話す。

 その要因としてはやはり「認知度が低いこと」が挙げられる。幅広く展開している「なんドラ」ではあるが、一般層へと浸透というとまだまだこれからという状況で、より多くの人にサービスを知ってもらい、普及を進めていくための試行錯誤をしているところだという。

 とはいえ、業界やユーザーからの「なんドラ」の評価は高く、千葉ロッテマリーンズ公認の予想コンテンツを「なんドラ」で提供したり、パ・リーグ公式の試合予想アプリ「パ予想」を手掛けたりなど、幅広い展開を見せている。

「なんドラ」は、日本ではなかなか浸透しにくいジャンルに切り込み、新しい風を吹かせているサービスだといえる。今後、日本のスポーツ産業、文化にどのような影響を与えるのか注目したい。

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