表現に制約があると思われている中国のコンテンツだが
日常のあるある系なら日本でも受け入れられる余地があるか
これまで日本のコンテンツが中国で勝手に再利用されることはよくあったし、ちいかわやくまモン、ポプテピピックがネット上で勝手に二次創作に使われることはよくあった。しかし、ついに中国のコンテンツの二次創作が日本のメジャープラットフォームで拡散したわけだ。
なにかと「中国は表現の自由がない」と言われがちだが、それでも制約の中で描かれる中国の日常のあるあるストーリーの描写であれば、中国だけでなく日本でも共感を得られることが証明された。今やさまざまな中国アニメが日本で視聴できるようになり、日本と中国がだんだんとアニメでも対等な関係になっていくように感じている。ジャンルは違うが、ゲームでもAAAタイトル「黒神話:悟空」を皮切りに多数のゲームがSteamやPS5向けにリリースされ、相互にゲームを遊ぶ対等な関係になっていく。
中国人が日本のコンテンツを見てファンとなり、秋葉原や日本橋まで出向いてキャラクターグッズを買う人も多くいるし、中国国内で増えているグッズショップでも日本のキャラクターグッズは人気という。ならばオフィシャルYouTubeコンテンツを見て、グッズをタオバオで買うなど、なにかの形でお礼するという、日中の趣味趣向が似たもの同士が前向きな投げ銭をする関係になるのもいいと思うのだ。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で、一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」、「中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか? 中国式災害対策技術読本」(星海社新書)、「中国S級B級論 発展途上と最先端が混在する国」(さくら舎)などを執筆。最新著作は「移民時代の異国飯」(星海社新書、Amazon.co.jpへのリンク)
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