丸の内初心者がエモいセンサーで巡る！「昭和レトロさんぽ」 第19回

怪しげなネオンの先にある「麻雀オリオン」　トンネル下の知る人ぞ知る丸の内の憩いの場がいい味出してる！

文●岡田知子（BLOOM）

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　丸の内エリアの古き良き昭和レトロなスポットを巡り、魅力を深掘りする本連載。19回目となる今回は、昔ながらの麻雀店「麻雀オリオン」に潜入してみました！

　

　ある日のこと。高架下にのびる「有楽町高架下センター商店会」を歩いていたら偶然見つけたのが、このネオン。え、こんなところに麻雀店!?　高架下のトンネルで発見したのですが、ただならぬ雰囲気が漂っています（笑）。これは…、気になる！

薄暗い高架下のトンネルに、青と黄色のネオンが静かに光っています

　ガラスのドアから中をのぞいてみると、お客さんが麻雀卓を囲んで楽しんでいるよう。実は私、麻雀店に入るのは初めて。あまりに渋い店構えに一瞬躊躇しましたが、意を決して中に入ってみることにしました！　どきどき…。

　店内は意外と広くて、とってもきれい。壁にはビールのポスターや少し色あせた「得点早見表」などが貼られていて、懐かしい昭和の空気に包まれています。目をひくのが緑鮮やかなブナの木の壁紙。まるで大きな窓から木々を眺めるようにすがすがしい雰囲気で、「煙がモクモクで前が見えなーい！」といった、私がイメージする麻雀店とは全く違う趣です。この雰囲気、なんだか落ち着きますね～。

　店内をきょろきょろ見回していたら、「いらっしゃいませー！」と、ママの菊池陽子さんが声をかけてくれて、お話を聞かせてくれることになりました。私、麻雀は全くできないのに…、やさしい～。

緑の壁紙がさわやか！　昔は白樺の写真だったのだとか。麻雀卓は全部で11卓

　ママさんは御年85歳！　1964年（昭和39年）ごろにこの場所のすぐ近くで開業し、35年ほど前に今の場所に移ってきたとのこと。もともとは、旦那さんのお母さまが始めたお店で、現在はママさんと、息子さんご夫婦さんが切り盛りしています。

　「昭和39年」と聞いたお客さんからすかさず「お、東京オリンピックの年だね！」との言葉が飛び出し、「そうね。日本が元気ないい時代だったわね」とママさん。そのころ、「有楽町高架下センター商店会」には何件も麻雀店があって、「麻雀通り」とも呼ばれていたんですって！　今は飲食店や居酒屋さんが並ぶ商店会ですが、そんな時代もあったんですね～。今、丸の内界隈に残っている麻雀店は、ここ「麻雀オリオン」を含めて2軒ほどしかありません。

ママの菊池陽子さん（中央）と常連の皆さん。和気あいあいでとっても仲がよさそうでした

　以前は東京都庁が近くにあったので、当時は都庁の職員のほか、土木関係の業者さん、新聞社の社員などがよく訪れてくれていたそう。この日、麻雀を楽しんでいた4人のお客さんも20年くらい通っていて、お仕事を引退した今は月2～3回、集まっていると教えてくれました。どおりでママさんとも仲良しなわけですね！

　常連さんの中には、三田にある慶応大学の卒業生も。社会人になって丸の内周辺の企業に勤めるようになり、「学生時代はよくやっていたけど、こんなところに雀荘があるなんて」と通うようになった人もいるのだとか。年を重ねてもこうしてときどき集まって麻雀卓を囲んで、顔なじみの友人やママさんとあれこれおしゃべりしながら同じ趣味を楽しむのって、なんだか素敵だなぁ。

　「今はスマホやパソコンでゲームや麻雀をする人も多いけど、やっぱり顔を合わせて一緒にやるのが楽しいよね」と、お客さん。はい、私もそう思います！

月に2～3回集まって麻雀を楽しんでいるという常連さん。牌を見つめる目が真剣です！

　店内に置かれているのは全て自動卓で、チェアはゆったり大きめ。「けっこう高級な椅子なのよ」とママさんが笑うとおり、ふっかふかで座り心地がとってもよくて、何時間でも麻雀ができちゃいそうです。

店内の階段を少し下りた右側のコーナーにも、麻雀卓が置かれています

　1回でだいたい4～5時間ほど楽しむ人が多いそうですが、その間におなかがすいても大丈夫。ママさんが作るうどんなどの食事メニューのほか、カップ麺もそろっています。もちろん、生ビールなどのお酒も！　でも、飲まずに麻雀をする人も多いそうですよ。飲み過ぎると麻雀の腕に影響が出るのかな？（笑）

注文が多いのは、うどん類。お味噌汁付きの焼きおにぎり450円（2個）もおいしそう！

　また、近隣の人気店からの出前もOKです。「谷ラーメン」（https://lovewalker.jp/elem/000/004/182/4182481/）、「カレー専門店 ふくてい 有楽町本店」（https://lovewalker.jp/elem/000/004/235/4235899/）のほか、「中国料理 宝龍」「鮨 葵」などのメニューが用意されているので、実は食べるのも楽しみだったりして！（笑）。

　「麻雀オリオン」では、忘年会や麻雀大会なども随時行われています。麻雀教室などは開催していないので、初めての人がいきなり行くのはちょっぴりハードルが高いですが、ぜひ麻雀好きのお友達や先輩と一緒に行って、少しずつマスターしてみてください！　ママさんのお人柄もあり、アットホームな店内は丸の内でも屈指のなごみ空間ですよ～。次回は、私もばっちり麻雀を覚えておじゃましたいと思います！

「空卓」のネオンが付いていたら、即入店OK。青と黄色のネオンはママさんの旦那さんがデザインして、ずっとこのままだそう

　ということで、第19回の「麻雀オリオン」のレポートはおしまい！　次はどんな「昭和レトロ」に出合いに行こうかな～。

横浜生まれ、横浜育ち。おいしいものと旅が大好きなオカダです！

麻雀オリオン
住所：東京都千代田区丸の内3-6-10
営業時間：15:00～24:00
定休日：日曜、祝日 ※12/31～25年1/3は休み
電話：03-3231-1757
料金：1卓につき1時間2,000円、以降30分ごとに1卓1000円。

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