慌てていきなり押し込んだら悲劇が発生
場所を決めたら一刻も早くカブカップを取り付けたくてキープラーで既存の「>」と「Win」上下2個のキャップを引っこ抜き、まずカブキャップの胴体だけをWinキーの場所に押し込んでみた。硬くて入りにくい指先の感覚を無視して力一杯押し込んだら、むぎゅ~と入った。
ところが不幸の始まりはそのときにスタートしたらしい。どうもしっくりこないのでもう一度カブキャップの胴体部分を引き抜いてやり直そうと考えて、カブキャップを指先でつままんで力強く引き抜いたら、なんと胴体キャップだけが外れずにキースイッチのステムの重要なパーツである緑軸も一緒に抜けて、スプリングまでが飛び出してしまった。
通常は見ることのない普段は隠れている部分を人生で初めて見てしまった。多少焦ったがステムの緑軸にスプリングを通して再度ゆっくり押し込むことで事なきを得た。原因を究明すべく、カブキャップ裏側の十字ソケットと既存のWinキーキャップのソケットのサイズを比べて見たら、カブキャップのソケットはかなりタイトであることがすぐにわかった。
ソケット内部を削って拡大したら、しっかりハマった
作業としてはカブキャップ側の十字ソケットの内部を削って拡大することが必要そうだ。しかし、DIYがそれほど得意ではない筆者は、何を使って拡大できるのかピンとこなかった。しばらく考えて、ここは生まれて初めてルーターにチャレンジすることにしてAmazonで1000円少々でミニルーターを追加衝動買いした。
早速届いたミニルーターはUSBパワーで動作する極めて小さなタイプで、筆者でも扱いは簡単だった。見かけはかなり悪いがほんの10分ほどでカブキャップの十字ソケットの内部をかなり削り取ることができた。カブキャップの頭と胴体の両方のソケット内部を削って大きくするのに、30分くらいはかかってしまった。
そこそこいい雰囲気に削ったのでカブキャップの頭と胴体は両方ともバッチリと「>」と「Win」キーキャップの交換パーツとして収まりもタイピングも上々だった。何度かキープラーを使って引き抜いたり押し込んだりしたが問題は無さそうだ。そしてカブキャップのかわいさは想像以上だった。
まだまだカブキャップの存在に慣れないこともあるが唯一の問題点は“ステップスカルプチャーの丘”に寝そべったカブキャップの予想外に出っ張った鼻とお腹だ。ときどきEnterキーを求めてキーボード上を低く滑空する右手が、ついついぶつかってしまう。
操作性を第一に考えてカブキャップを諦めるか、操作性は慣れるのをまってカブキャップのかわいさを優先するかは、極めて難しい判断だ。そして慣れを待っている間にカブキャップの鼻が擦れて剥げてくるのではないかと別の心配も浮上してくる。カブキャップはたくさんの悩みをいろいろ生み出してくれる超楽しいキーキャップガジェットだ。
今回の衝動買い
・アイテム:動物キーキャップコンボ
・購入:Temu
・価格:1569円(10月27日の購入時点)
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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