AMDは11月19日、「Supercomputing 2024」でスーパーコンピュータ「El Capitan」がエクサスケールの壁を越えた2台目のシステムとしてTop500リストで1位に選ばれたと発表した。
El Capitanは、AMDの最新技術を携えたスーパーコンピュータであり、ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) の領域で新たな可能性を拓く。搭載されているAMD Instinct MI300A APUは、CPUコア、GPUコア、積層メモリを一つのパッケージに統合することにより、これまでにない効率と性能を実現しているという。特に、エネルギー効率に優れた設計が施されており、Green500リストでも上位にランクインしている。
AMDはさらに、IBMとの提携を発表し、IBM CloudのサービスとしてAMD Instinct MI300Xアクセラレータを展開する計画を立てている。2025年上半期にはこのサービスが提供開始され、企業向けの高性能計算アプリケーションの性能をさらに引き上げることが期待されている。
このスーパーコンピュータは、国家核安全保障局のコアシステムとしての役割を持ち、大規模かつ高精度な3Dシミュレーションを実行可能にする。これにより、安全性や信頼性を確保しつつ、核兵器の試験を行わないで管理できる能力を提供している。また、AIや機械学習を活用したデータ解析の推進にも寄与しており、予測の不確実性を定量化する科学モデルの構築を支援している。