MSIのNUC「Cubi NUC 1M」を徹底レビュー
NUCはどれも同じではない!ちょっとした違いなのに大きく影響するポイントを見逃さずに選ぼう
「Cubi NUC 1M」はMSIのNUCだ。NUCと言えばIntelだが、そのIntelはNUCの提供を終了しており、現在は各社からNUCが登場している。デスクトップやノートブックのような形状の名称になったというイメージだ。ただし、各社からさまざまなNUCが登場してくると、製品選択のポイントが難しくなってくる。ここではMSIのNUC、Cubi NUC 1Mの特徴をさまざまな角度から見ていこう。
Intel NUCとはちょっと違うMSI NUC
Cubi NUC 1M(今回はCubi NUC 1M-042JP)は完成PCとして販売される。CPUはCore 7 150U、メモリは16GB、SSDは512GBといったスペックで、OSはWindows 11 Proをインストールしてある。Pro OSという点で、メインターゲットはビジネスユーザーになるが、直販サイトMSI STOREをはじめパーソナルユーザーも購入可能だ。Cubi NUC 1M-042JPの直販価格は13万7800円。なお、Core 7 150U&Windows 11 Pro搭載ノートPCの平均的な価格が10万円台後半なので、ディスプレイやキーボードのないデスクトップの本製品が10万円台前半なら妥当な価格と言えるだろう。
ただしサイズは少し違う。Cubi NUC 1MのフットプリントはかつてのIntel NUCよりも若干大きい。Intel NUCは117×112mm、Cubi NUC 1Mは135.6×132.5mm。それぞれ20mm前後、長い筐体である。どうしても117×112mmである必要があるのか……、そうした方もいるかもしれないが、実際のところCubi NUC 1Mも十分に小さなPCだ。高さは50.1mmで、2.5インチベイ搭載モデルと比べるとほぼ同じだ。
背面にメインのインターフェースを置き、前面にもインターフェースを備えているところもIntel NUCにそっくりだ。フロントインターフェースは左からヘッドホン・マイクコンボジャック、USB 3.2 10Gbpsポート×2、microSDカードリーダー、HDDアクセスLED、電源スイッチ(LED付き)。リアインターフェースはUSB 3.2 10Gbps×2、Thunderbolt 4×2(うち1ポートはUSB PD Max.100W対応、双方Display Port Alt-Mode対応)、HDMI 2.1×2、2.5Gbps LAN×2、ACアダプタ用ジャック。ほか、ワイヤレスがWi-Fi 6EとBluetooth 5.3。
ACアダプタ用ジャックからわかるように、本製品にはACアダプタが付属する。出力は120Wだ。ただし、Thunderbolt 4のうち1ポートは100WまでのUSB PDのシンク(受電)に対応していて、実際、ここにUSB PD充電アダプタを接続してみたところ問題なく起動させることができた。ただ、Thunderbolt 4はUSB SSDなどデータ転送にも利用できれば、Display Port Alt-Modeで映像出力にも利用できるので、どの用途を重視するか次第だろう。
ディスプレイ裏にNUCなどミニPCを設置するというのは、オフィスのビジネスPCではよくあることだ。もちろんCubi NUC 1MもVESA対応でアダプタが付属する。ディスプレイ裏にVESA規格のネジ穴が空いている場合は、そこに同梱されている「VESA対応アダプタ」を装着する。すべてのディスプレイにVESA規格のネジ穴があるわけではなく、あってもスタンドで使用済みのものもある。後者は別途スタンドオフとVESA増設プレートを使用するような工夫で利用可能となる場合もあるので、ディスプレイ裏の構造がどのようになっているのか確認してみるとよいだろう。
本体左右側面にも注目したい。左側面には会社などで盗難防止に利用されるセキュリティロックスロット(Kensingtonロック)がある。そして右側面にある端子は本製品においてとくにポイントの高いものだ。キャップを取り外すと現れるのは2ピンの端子。製品に付属する「電源スイッチ延長ケーブル」を接続するためのものだ。