パフォーマンスを向上させつつ、発熱と消費電力を抑えた魅力的なCPUとなっているAMD次世代CPUのRyzen 9000シリーズ。この秋には、Socket AM5 CPU向けチップセットの第2世代となるAMD 800シリーズチップセットを採用するマザーボードの発売が予定されているため、ゲーミング、クリエイティブ問わず、新たなPCを組もうと考えている人におすすめのCPUと言える。
そんなAMD Ryzenを使ったPC自作には、現行世代と前世代の2つの選択肢がある。現行世代は、Ryzen 7000/8000G/9000シリーズCPUと、対応するCPUソケットのSocket AM5を採用するマザーボード、DDR5メモリーを組み合わせ、総じて高めの予算が必要になっている。
そしてもうひとつが、前世代となるRyzen 5000 CPUと、Socket AM4採用マザーボードで組むSocket AM4自作だ。人気ゲームタイトルの「Apex Legends」などを楽しめるPCを14万円台から組めるのが魅力。そんな低価格ゲーミングPC自作の最適解と言えるAM4自作の基本を改めて紹介していこう。
CPUの型番の読み方などの基本中の基本からマスター
AM4 CPUを選ぶ際のあれこれを説明していこう。基本として知って覚えておきたいのが、型番の読み方でAM4 CPUの型番は”Ryzen x 5×00 ××”となっている。
1、Ryzen=ブランド名、2、5/7/9=シリーズ名、3、5xx0=プロセッサーナンバー、4、末尾型番=タイプで、シリーズ名はRyzen 9が最も高性能で7>5と続く。
プロセッサーナンバーも、数字が高いほど上位に位置し、これまで”5950”から”5500”までけっこう出ているが、実際に店頭で確認できるモデルは限られている。
最後の型番末尾は、ゲームに特化した3D V-Cacheを搭載する”X3D”、性能重視が”X”、”XT”、Radeon GPUを内蔵したRyzen APUの”G”、”GT”といったところだ。
これでCPU型番の見方が完璧になるなら良いのだが、ひとつ注意点がある。それがサハロフ佐藤のアキバ定点観測(8月17日調査分)で、最低価格1万6800円が出ている「Ryzen 7 5700」だ。鉄板人気の「Ryzen 7 5700X」と同じ8コア/16スレッドで型番末尾から、”X”が取れただけと思ってしまうが、中身はRyzen APU(Ryzen 5000Gシリーズ)と同じコードネーム”Cezanne”になっている。
そのためビデオカード向けのPCI Express x16スロットや、M.2スロットは、いま主流となっているPCI Express Gen4.0の下位となるGen3.0規格になってしまう。さらにL3キャッシュも、半分の16MBに減少する。使い方によっては選ぶのもありだが、”お!安い”と安易に飛びつかないようにしたい。