2024年10月14日、「長崎スタジアムシティ」がグランドオープンした。サッカー「V・ファーレン長崎」の新ホームスタジアム、バスケットボールBリーグの「長崎ヴェルカ」の新アリーナだけでなく、日常を非日常にするをコンセプトにスポーツだけではない複合施設として開設された。スタジアムを使ったジップラインなど斬新な企画も体験できる。本事業を中心として推し進めるのは民間企業のジャパネットホールディングスだ。
そのグループ会社で地域創生事業を担う「リージョナルクリエーション長崎」は、「長崎スタジアムシティ」で屋内型スポーツエンターテインメント施設「VS STADIUM NAGASAKI」をオープンした。現在、長崎県に屋内型スポーツエンターテインメント施設はないため、県内に類を見ない施設としても注目を集めている。今回は「VS STADIUM NAGASAKI」が開業する経緯や同施設が長崎県に与える影響などを取材した。
約2400平米の広さを誇る屋内型スポーツエンターテイメント施設
VS STADIUM NAGASAKIがオープンする長崎スタジアムシティは、ジャパネットグループの「リージョナルクリエーション長崎」が民間主導で開発を進めている複合施設だ。サッカースタジアム「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」や多目的アリーナ「HAPPINESS ARENA」、ホテル、オフィス、ショッピングモールがひとつのエリアに集約しており、長崎県の新たなランドマークになると期待されている。
「VS STADIUM NAGASAKI」がオープンするのは、商業棟である「STADIUM CITY SOUTH(スタジアムシティサウス)」。スポーツエンターテイメント施設「VS PARK」を手掛ける「バンダイナムコアミューズメント」が企画から開発、監修を務め、同施設の4階フロア、約2400平米の大型区画にバラエティ番組のように大掛かりでゲーム性のあるスポーツアクティビティが30種類以上、設置される予定。
他にも、「V・ファーレン長崎」、「長崎ヴェルカ」とのコラボコンテンツも展開する予定だ。
長崎県には屋内型スポーツエンターテインメント施設がなかった
そもそも、なぜ長崎スタジアムシティに屋内型スポーツエンターテインメント施設を導入することになったのだろうか。
リージョナルクリエーション長崎で、オフィスと商業事業企画を担当する大門拓真氏は、「長崎県には屋内型スポーツエンターテインメント施設がなかったことがひとつのきっかけ」と話す。
実は長崎県内にはボーリング場などはあるものの、大型のスポーツエンターテイメント施設が存在せず、同じような施設で遊ぶには他の県まで行く必要がある。高速バスを使って他県まで遊びに行く学生も多く、同様の施設が長崎県にあればうれしいという声は以前から多く挙がっていた。
大門氏によると、「長崎スタジアムシティの企画時点でアンケートを行った際も、若い世代から同様の施設を作って欲しいという声が多く寄せられた。それをきっかけに、長崎県の人が近くで楽しめる施設を作れないかと考えた」という。
早くも大きな期待が寄せられている
VS STADIUM NAGASAKIは、バンダイナムコアミューズメントがプロデュースを担い、運営をリージョナルクリエーション長崎が担当する。そのため、他地域に展開している「VS PARK」とは異なる、VS STADIUM NAGASAKI独自の魅力も秘めた施設になる予定だ。先述のように、地元のプロスポーツチームとのコラボレーションは、VS STADIUM NAGASAKIでしか楽しめないコンテンツの最たる例だといえる。
県内初ということで、VS STADIUM NAGASAKIに対する県民からの期待も大きい。2023年に実施された長崎スタジアムシティ前年祭にVS STADIUM NAGASAKIのコンテンツを展開したところ、かなりの待ち時間が発生するほどだったという。
これまで県外に足を運んでいた層が、VS STADIUM NAGASAKIを求めて長崎スタジアムシティに集まるようになれば、地域の活性化にもつながる。別企業との連携により、新しい取り組みも生まれるだろう。また、地元の人だけでなく、他地域から遊びに来る人も増える可能性があり、長崎観光の「定番スポット」になる可能性もある。
今後の展望について、大門氏は、「まずはオープンに向けてしっかりと準備を進めていきたい。地元の方々に繰り返し利用いただけるよう、期間限定のイベントや定期的なコンテンツの入替も計画している。長崎県は人口流出が大きな課題だが、VS STADIUM NAGASAKIが存在することで、少しでも地元が魅力的だと感じてもらえるとうれしい」と話した。
VS STADIUM NAGASAKIには、長崎県の魅力を高め、多くの若者を引き付けることができるのではと大きな期待が寄せられている。