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音楽ストリーミングを「気候に優しく」楽しむ5つの方法

2024年08月21日 13時24分更新

文● Zeyi Yang

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Kpop4Planet

画像クレジット:Kpop4Planet

音楽ストリーミングが環境に与える影響を軽減するためには、より小さなデバイスの使用やダウンロードへの回帰など、できることがある。気候変動に対して罪悪感を持たずに音楽を楽しむ、5つの方法を紹介しよう。

この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。

いつも注目している中国から少し離れ、隣の韓国に目を向けてみる。K-POPが世界中に広まり、熱心なファンが巨大な基盤を築いている中で、そのようなファンたちが自分たちのパワーを行動に移している。先日、私はKpop4プラネット(Kpop4planet)に関する記事を公開した。このボランティア・グループは、K-POPの影響力を利用して、大企業に自らのカーボンフット・プリントの責任を取らせている。

Kpop4プラネットが主催してきたキャンペーンのうち、最も興味深い(そして成功している)ものの1つは、音楽ストリーミングのカーボンフット・プリントに光を当てている。K-POPファンがお気に入りのアーティストを応援するために、平均よりもかなり長い時間(時には1日5時間以上!)ストリーミングしている。このことを知ったKpop4プラネットは、韓国最大の国内ストリーミング・プラットフォームに対し、2030年までに100%再生可能エネルギーを使用することを誓約させるキャンペーンを成功させた。

正直なところ、私はこの記事に取り組むまで、ストリーミング音楽がそれほど環境を汚染する可能性があるとは全く思わなかった。研究者たちによれば、1枚のアルバムを27回以上ストリーミング再生すると、CD1枚を生産するよりも多くのエネルギーを使用することになるという。しかし、ストリーミングが全体としてCDやレコードよりも環境を汚染しているかどうかということについては、決定的な答えを導き出すのが意外に難しい。分かっているのは、ストリーミングに関連する二酸化炭素排出は、遠く離れたデータセンターや目に見えないデータ伝送を通じて生み出されるため、問題を明確にするのがより難しいということだ。

取材中、音楽ストリーミングが気候に与える影響を正しく理解する方法について何人かの専門家に話を聞き、1つはっきりしたことがある。すべては、私たちがどのようにストリーミングするのかに行き着くのだ。ストリーミングするコンテンツやデバイス、長さなどである。また専門家たちは、すべての音楽ストリーミング・ユーザーがカーボンフット・プリントを軽減するためにできることを、たくさん提言してくれた。

そこで、今回は音楽ストリーミングのヘビーユーザーができることを紹介する。

1. 大型テレビの代わりに小型のデバイスを使う 

ストリーミングのカーボンフット・プリントは、その大部分が音楽や映像の再生に使用するデバイスから発生する。そして、デバイスの中には、他よりもはるかに多くの電力を必要とするものもある。国際エネルギー機関(IEA)によれば、50インチのLEDテレビをストリーミングに使用する場合、スマートフォンの100倍の電力を消費するという。また、画面をオンにしたまま映像や歌詞を表示する場合も、音声だけを再生するより多くの電力を消費する。そのため、ストリーミングにスマートフォンを利用すれば、エネルギー消費を最小限に抑えることができる。

2.新しいスマホの購入をもう少し待つ 

確かに、スマートフォンはかなりエネルギー効率が良いように設計されているが、それ自体を製造するのは別の話だ。「電話機のライフサイクル分析において、生涯消費エネルギーの85〜90%が製造過程で発生します」とサイモン・フレーザー大学でメディア・アートと哲学を教えるローラ・マークス教授は言う。製造過程には通常、環境を汚染する可能性のある化石燃料、プラスチック、鉱物などが必要になる。

「そのため、いくつかおすすめするとしたら、そのうちの1つは、今持っているデバイスをできるだけ長く使い続けることでしょう。見過ごされることが多いのですが、デバイスはストリーミングを構成する非常に大きな要素だからです」とマークス教授は言う。

3.デジタル・ダウンロードに戻り、ストリーミングは厳選された状況でのみ使用する

今では音楽ファイルをダウンロードしている人はほとんどいないが、音楽を聴く上で最も気候に優しい方法の1つは、お気に入りの曲をデジタル・ファイルとして保存し、それを繰り返し聴くことだと専門家たちは口を揃える。

ストリーミングを音楽を聴くための唯一の方法と捉える考え方も改める必要があると、フィンランドのドレクセル大学で音楽産業について研究しているジョー・スタインハート助教授は言う。「一番簡単な提案は、ストリーミング音楽を発泡スチロールの皿やプラスチック製フォークのように考えることです。決してそれらを使わないということではありません。食事のときに毎回使わないというだけです」と同助教授は話す。多種多様な音楽を聴く場合は、ストリーミングが最良の選択かもしれない。何曲か繰り返し聴くのであれば、デジタル・ダウンロードか、あるいは昔ながらのCDを選ぼう。

4.ストリーミング・プラットフォームに責任を果たすことを強く求める

気候対策は個人の責任がすべてではない。企業により良いことをするように強く求めることでもある。Kpop4プラネットが、韓国最大の音楽ストリーミング・サービスであるメロン(Melon)の責任を追求したように、あなたもお気に入りの音楽ストリーミング・サービスに責任を負わせることができる。

マークス教授によれば、そのために必要な大部分は、プラットフォームのデータセンターが設置されている場所を見つけ出すことだという。データセンターは、ストリーミングのカーボン・フットプリントの3分の1から2分の1を占める可能性があるからだ。それらの巨大な施設は、大量の電力を消費している。もしそれを再生可能エネルギーに切り替えることができれば、一個人が取り得るどんな行動よりもはるかに有意義なものになるだろう。空約束に騙されることなく、再生可能エネルギーをどこでどのように調達するのか、具体的な計画を求めることも重要である。

5.音楽を大切にし、過剰消費に抵抗する

多くの専門家が言及するのが「ジェボンズのパラドックス」だ。これは経済学における概念で、効率の向上が資源の消費量を減少させると予測されるが、実際には資源の利用効率の向上が、総消費量の増加につながる可能性があるという逆説的な理論である。ストリーミングの場合で言えば、技術的に1曲あたりのエネルギー効率を向上できるとしても、そのビジネスモデルと純粋な利便性のせいで、多くの場合、ユーザーは気候変動への影響を考えることなく、ますます多くの曲を聴くようになるということだ。

そのような考え方に対抗するため、音楽を聴くことをもっと大切にするべきであるとマークス教授は提案する。「1日中ストリーミングする代わりに、1曲の演奏を本当に楽しむことかもしれません。2、3回聴き、その曲について友人たちと話をするのです」と同教授は話す。

私の結論はこうだ。音楽ストリーミングが気候に与える影響を自覚し、少しでも地球に優しいものにするためにできることについて考えるのに、遅すぎるということはない。


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