オービックビジネスコンサルタント(OBC)とPayPayは8月21日、賃金のデジタル払い(以下、給与デジタル払い)の機能連携に関する基本合意書(以下、基本合意)を締結したと発表した。
OBCではキャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進むなか、「奉行クラウド」の利用企業にて今後、給与デジタル払いを希望する従業員が増加してくると捉え、かねてよりバックオフィス担当者が業務負荷をかけずに給与デジタル払いができる仕組みについて開発検討を進めていたという。
PayPayでは8月9日に資金移動業者の口座への賃金支払い(給与デジタル払い)に対応する資金移動業者として、厚生労働大臣の指定を受け、8月14日よりソフトバンクグループ各社の従業員(ユーザー)を対象に「PayPay給与受取」のサービス提供を開始。年内にはすべてのPayPayユーザーを対象に同サービスの提供開始を予定している。
今回の基本合意では、PayPayが提供する「PayPay給与受取」とOBCが提供する「奉行Edge 労務管理電子化クラウド」の機能を連携することで、利用企業における「従業員(ユーザー)の『給与受取口座への入金用口座番号』の入力誤り・負荷の削減」と「雇用主(事業者)バックオフィス担当者の給与振込先口座の収集業務の効率化」を実現し、新たな利用体験の提供を目指す。なお、本連携および機能提供は2025年春頃を予定している。
PayPayアカウントで給与の受取を希望する場合、従業員(ユーザー)は、勤務先にて給与デジタル払いに対応するために必要な労使協定の締結がされているかを確認し、雇用主(事業者)から給与デジタル払いに関する留意事項などの説明を受けたのち、個別に同意申請をする。
次に、PayPayアプリで「PayPay給与受取」に申し込むと、PayPayアカウントで給与を受け取るための「給与受取口座」と、受け取った給与をPayPay残高として保有する「PayPayマネーアカウント(給与受取)」、および銀行振込により「PayPayマネーアカウント(給与受取)」にチャージするための「給与受取口座への入金用口座番号(銀行口座番号)」を設定。
当該口座番号を雇用主(事業者)に伝え、雇用主(事業者)から当該口座番号宛てに給与が銀行振込されると、PayPay残高(PayPayマネー(給与))として「PayPayマネーアカウント(給与受取)」にチャージされる。