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AIで作った曲が「Apple Music」ドイツ版トップ100に入ってきた

2024年08月08日 12時45分更新

文● 田口和裕

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 音楽生成AIサービス「udio」で作成されたと思われる楽曲が、Apple Musicのドイツ版トップ100プレイリストなどでランクインしていることがわかった。

YoutubeやShazamのチャートにもランクイン

 上記は日本時間8月6日に投稿された一般ユーザーによる指摘。

 投稿にはApple Musicランキングの72位にButterbroというアーティスト名で「Verknallt in einen Talahon(feat. udio.com)」という生成AI作と思われる曲がランクされているスクリーンショットが添付されており「AIが作った曲がドイツのトップ100チャートに。非常識」と否定的なコメントが添えられている。

 Apple Musicのドイツ版トップ100プレイリストを見ると、現時点でも74位にランクインしていることがわかる。

Apple Musicトップ100プレイリスト(Germany)

 また、YouTubeのドイツ版ウィークリー楽曲ランキングを見ると同曲が27位に、

YouTubeウィークリー楽曲ランキング(Germany)

 さらにShazamドイツ版TOP200ランキングでも34位にランキングされていることがわかった。

Shazam GermanyTop 200

 世界中のストリーミングサービスのランキングを検索できる「kworb.net」で同アーティストを検索すると、ドイツの他にもオーストリアやスイスでもチャートインしているようだ。

kworb.net

Spotifyでは対策済み?

 kworb.netによると、Spotifyのチャートにもランクインしていることになっているが、現時点でチャートには入っていなかった。

 同曲を検索したところ、なんらかの対策がされたのか、再生回数200万回を突破しているにもかかわらず再生不可になっていた(ジオブロックという可能性もある)。

Spotifyの楽曲ページ

 なお、udioの検索画面で同曲を検索したところ、同名曲はみつかったものの該当曲は見つけられなかった。

udioの検索画面

 AIによる音楽制作技術は目覚ましい進歩を遂げており、とうとうその成果がストリーミングサービスのランキングにあらわれるまでになった。

 一方、急速な技術革新に法制度の整備が追いついておらず、著作権に関する問題が山積しているため、各社対応に苦慮しているのが現状だ(「米3大メジャーレコード会社、音楽生成AI『Suno』『Udio』を著作権侵害で提訴」参照)。

 それでも、AIを部分的に活用した楽曲制作は既に広く普及しており、この流れは不可逆的に思える。業界は大きな転換期を迎えており、この新時代への適応が求められているのかもしれない。

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