数年前からコスパに優れたミドルクラスのスマートフォンと言えば、シャオミ/OPPO/モトローラの海外勢が強さを発揮している。中でも、最近積極的な動きが目立つのがモトローラ。そこで、現在手に入るモトローラ製スマートフォンを比較したうえで、実際に筆者が買った製品を紹介する。
世界初の商用携帯電話を発売したモトローラ
モトローラと言えば、携帯電話の世界では老舗中の老舗のブランドだ。1983年に世界初の商用携帯電話(DynaTAC 8000X)を発売。基地局や通信方式などシステム自体も手がけており、日米貿易摩擦が生じていたアナログ携帯電話の時代、国内に導入する方式としてモトローラ方式かNTT方式かで政治的にも問題になった。
2003年には世界的なヒット製品「RAZR」をリリース。日本でもドコモから製品が発売されたが、一時は世界シェアトップをNokiaから奪った。
そんな昔話がたくさんあるモトローラだが、現在はPCでおなじみのレノボの傘下となり、非常に買いやすい機種から、RAZRの製品名を受け継いだ折りたたみ機までラインナップ。しかも、価格に対して性能もよく、用途に合わせてオススメしやすい製品が揃っている。
国内でもFeliCa搭載機を積極的に投入
エントリーからミドルハイまで、オススメ機種が揃っている
モトローラで最近注目されている端末といえば、ミドルからミドルハイに位置づけられる「motorola edge」シリーズ。7月に発売された最新モデル「motorola edge 50 pro」はミドルハイクラスの製品で、価格は約8万円だ。
もう少しお手頃な金額の機種といえば、今年5月登場で実売約5万円の「motorola edge 40 neo」がある。IP68の本格的な防水防塵対応でプロセッサにMediaTek Dimensity 7030を搭載。パフォーマンス的にもミドルクラスの機種となる。PANTONEカラーの鮮やかな筐体色が話題の製品だ。そして後述するが、neoがつかない前年モデル「motorola edge 40」も流通在庫として今でも購入できる。
価格優先なら、「moto g64 5G」がいいだろう。実売約3万5000円で、防水はIP52と撥水レベルにとどまるが、FeliCaも含めた“ほぼ全部入り”のモデル。プロセッサがDimensity 7025なので、上位のmotorola edge 40 neoに続くレベルの処理性能を持っている。
安価な全部入りモデルなら、2022年の発売だが、IP68対応の「moto g52j 5G」も、翌年になって追加されたメモリー増量バージョン(moto g52j 5G II)の流通在庫があり、同じような価格で販売されている。製品自体は悪くないのだが、Androidのバージョンのアップデートが12で止まっていることには注意が必要だろう。
さらに安い製品、というのなら約2万円の「moto g24」もある。プロセッサがMediaTek Helio G85とかなり非力になるが、メモリーが8GBで、使い方を工夫すれば問題なく使える。特にステレオスピーカーを内蔵しているので安価な動画再生機としてはありかもしれない。
なお、moto g24は5G非対応、FeliCaなし、防水防塵がIP52、eSIM非対応という機種。ただ、物理SIMが2枚挿せる仕様で、格安SIMを駆使する人にとって貴重な機種であることは覚えておきたい。
そして、最近のモトローラのラインアップで共通の魅力なのが、いずれも200g切りと比較的軽量に仕上げられている機種が多いこと。motorola edge 40 neoは約170~172g、moto g64 5Gは約177g、moto g24は約181g。最近では標準モデルのiPhoneが170g台であるが、ひとまわり小さいために、近い重量でも密度が高いため、モトローラの各機種に比べてずっしりと感じる。
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