“データをためる”と“データを活用する”の2製品が解決する課題、得られるメリットを知る
「HPE Ezmeral」がシンプルに実現する大規模データ活用の姿とは
2024年08月09日 11時00分更新
「データユーザー間のエコシステムを作る」HPE Ezmeral Unified Analytics
「データを活用する」HPE Ezmeral Unified Analyticsでは、統合データプラットフォームを通じて「データユーザー間のエコシステムを作る」ことをコンセプトとしている。
企業内には、データサイエンティスト、機械学習エンジニア、ビジネスアナリストなど、さまざまなタイプのデータユーザーが存在する。しかし、現状ではこれらのユーザーが個別にデータ活用環境を構築し、それぞれで同じデータ加工処理をするなど、無駄の多い「データユーザーのサイロ化」も発生している。
そこで、幅広いデータ活用ニーズを単一のプラットフォームでカバーし、データユーザー間の効率的なコラボレーションを可能にする(=エコシステムを作る)というのが、HPE Ezmeral Unified Analyticsの狙いだ。
HPE Ezmeral Unified Analyticsは、データエンジニアリング、データ分析/BIレポート、AI/機械学習の各領域で標準的に使われるオープンソース(OSS)のツール群をコンテナ化し、まとめたソフトウェアスタックとして提供される。データソースに対するSQLクエリやデータのカタログ化から、データ加工、データパイプライン作成、機械学習処理やモデル管理、BIレポーティングまで、幅広い用途に対応する。
Kubernetesベースで開発されているため、オンプレミスに設置したサーバークラスターにも、パブリッククラウドのIaaSにも展開が可能だ。「Red Hat OpenShift」のKubernetes環境に導入することもできる。
さらには、コンテナ化した独自開発のツールやサードパーティのソフトウェアを同じプラットフォーム上にデプロイして、実行することもできる。Kubernetesによる並列分散処理で、SQLクエリ発行やデータの加工、AIモデルのトレーニングといった処理を高速に行える点もメリットだ。
データソースとして接続できるのは、「Oracle Database」や「Microsoft SQL Server」といったデータベース、「Snowflake」や「Teradata」といったDWH、その他のデータレイク/データレイクハウスなど幅広い。前述したとおり、HPE Ezmeral Data Fabricと一緒に導入することで「データをためる+活用する」を連携させることも可能だ。
HPE Ezmeral Unified Analyticsの大きなメリットは、HPEが幅広いOSSのデータツール群を「検証済み」でパッケージし、提供してくれる点だ。OSSツールを自らの手で導入しようとすると、OSやライブラリのバージョン不整合などのトラブルに見舞われがちだが、そうした心配もなく迅速な展開が可能だ。導入後もGUIの管理コンソールからツールのアップデートが簡単にでき、HPEによる商用サポートが提供されることもポイントである。
代表的なユースケースの一例としては、金融機関(銀行やクレジットカード事業者)における不正取引検出のためのMLOps環境構築が挙げられるという。近年では不正取引の手口が巧妙化しており、従来のように人間がアルゴリズムを開発して検出する手法では、犯罪者の新しい手口に追いつかなくなっている。そこでHPE Ezmeral Unified Analyticsを導入し、機械学習モデルを継続的かつ迅速に進化させることのできるMLOps環境を構築する例が増えているという。
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前回と今回の記事を通して、HPE Ezmeral Softwareが実現するデータ活用環境の特徴がご理解いただけたのではないかと思う。さらに技術的な詳細は、HPEのWebサイトで多くのドキュメントが公開されているので、そちらをご参照いただきたい。
今回ご紹介した2つの製品には多くのツールと機能が含まれるが、まずはシンプルに「データをためる」「データを活用する」製品とだけ覚えていただければよい。ユーザーが本当に必要としているのは「データから価値を引き出すこと」であり、その準備や運用は極力シンプルであるべきだ。それがHPE Ezmeralのコンセプトである。
前回記事でも触れたとおり、HPE Ezmeralも「HPE GreenLake」を利用して、as-a-Service型で導入できる。ソフトウェア、ITインフラ(ハードウェア)、商用サービスのすべてをHPEにまとめることで、データプラットフォームの導入や運用がさらにシンプルなものになる。この点にもぜひ注目していただきたい。
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