SaaSの成長率はパッケージと比べて約3倍、市場のけん引役に
国内オブザーバビリティ市場は2028年まで高成長、システムの複雑化が要因 ― ITR予測
2024年07月12日 07時00分更新
アイ・ティ・アール(ITR)は、2024年7月11日、国内のAPM(アプリケーション・パフォーマンス管理)・オブザーバビリティ市場の形態別規模予測を発表した。
同市場の2023年度の売上金額は約103億7000万円と前年度比22.5%増、2024年度も前年度比21.9%増と継続した成長が見込まれるという。高成長の要因としては「システムの大規模化と複雑化により、状態の把握と問題への迅速な対応が困難になっているため」と分析する。
ITRは、これらの課題解決に有用な製品・サービスとして、APM・オブザーバビリティが一層注目されるとして、同市場の2023~2028年度における年間平均成長率(CAGR)を21.6%と予測する。
また、同市場をパッケージとSaaSの提供形態別に分類すると、SaaSの2023年度の売上金額は前年度比35.6%増の約57億円となり、パッケージの売上金額(約47億円)を上回った。パッケージのCAGR(2023~2028年度)は10.2%であるのに対し、SaaS市場は28.5%となり、2028年度には売上金額が200億円に達すると予測している。
ITRのシニア・アナリストである入谷光浩氏は、「オブザーバビリティの特徴は、IT環境から生成されるメトリクスやログなどのさまざまな観測データを収集・分析することにありますが、AI機能の実装・強化が図られており、異常予測の精度向上や問題解決の自動化などが期待されます。オブザーバビリティ製品・サービスは、システム運用管理の中核となるプラットフォームになっていくとみています」とコメントしている。