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コンクリートに特化したCO2固定量の測定装置、東大など開発

2024年06月26日 08時16分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学、リガク、太平洋コンサルタントの共同研究チームは、コンクリートなどのセメント系材料を用いた素材中のCO2固定量を簡易に評価できる装置を開発した。

東京大学、リガク、太平洋コンサルタントの共同研究チームは、コンクリートなどのセメント系材料を用いた素材中のCO2固定量を簡易に評価できる装置を開発した。 コンクリート関連分野では、CO2を無機炭酸塩の形で固定化し、カーボンニュートラルに貢献していくことが求められているが、CO2がどの程度コンクリートに固定化されているかを簡易に測定する手法はこれまでなかった。 今回開発した装置は、コンクリートの代表的な寸法の試験体を粉砕せずにそのまま設置・加熱。加熱によって発生したガス中のCO2濃度を計測することで試験体に含まれるCO2量を測定する仕組みである。 研究チームは本装置による測定結果を、コンクリートを練り混ぜた時の材料構成比率と構成材料中のそれぞれのCO2量から算出した理論値と比較し、よく整合することを確認。さらに、従来の方法で微粉化して測定した結果に比べて、構成材料から計算して求めた理論値に近いことを示した。 今後、炭素税や排出権取引を想定するとコンクリート中のCO2の固定量が重要な評価対象となることが予想される中で、今回の成果は、固定量が簡易に測定され、適切な取引が実施されるのに役立つことが期待される。研究論文は、日本コンクリート工学会の英文論文誌「先進コンクリート技術ジャーナル(Journal of Advanced Concrete Technology)」に掲載された

(中條)

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