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AMD Radeon、AIバッチリ使えます:Adobe PhotoshopやPremiere Proで検証
2024年06月28日 11時00分更新
AI Acceleratorの効果を実感
待ち時間を減らすストレスフリーに
では、実際にAI Acceleratorでどの程度処理が高速化するのか、RX 7800 XTで確かめてみたい。
テストに使用した環境は以下のとおり。CPUには「Ryzen 7 7800X3D」、マザーボードにはAMD B650チップセットを採用したASRockの「B650 Steel Legend wifi」と、AMDプラットフォームで揃えた。なお、比較対象にはAI Acceleratorを持たないRDNA 2世代の「AMD Radeon RX 6800 XT」を使用している。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Ryzen 7 7800X3D(ベースクロック4.2GHz、最大クロック5GHz)、8コア/16スレッド、L3キャッシュ96MB |
グラフィックス | ASRock「AMD Radeon RX 7800 XT Steel Legend 16GB OC」、Radeon RX 6800 XTリファレンスカード |
マザーボード | ASRock「B650 Steel Legend wifi」(AMD B650チップセット) |
メモリー | DDR5-4800 32GB(16GB×2) |
ストレージ | 1TB M.2 SSD(CFD販売「CSSD-M2M1TEG1VNE」、NVMe) |
電源ユニット | Silverstone 「ST1200-G Evolution」(定格出力1200W、80PLUS Gold認証) |
グラフィックスドライバー | AMD Software: Adrenalin Edition 24.5.1 |
OS | Windows 11 Home(64bit) |
まずはPhotoshopから。今回は撮影したフルHDの風景写真に対して、先ほど挙げた「風景ミキサー」を実行し、どの程度の時間を要するかをストップウォッチで計測した。なお、テストは2回実施し、その平均を結果として採用している。
結果としては、RX 6800 XTは7.5秒を要したのに対して、RX 7800 XTは5.4秒で終了した。2秒ほどの差であるが、これをいくつものファイルに適用したり、ほかのプリセットを試したりと、何度も繰り返すことを考えると結構大きな意味があるのではないか。
Premiere Proのテストでは、解像度が1920×1080ドットで長さが28分ほどのファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレのプレー動画を使い、シーンの検出にかかる時間を計測してみた。ここでもテストは2回実施し、その平均を結果としてまとめている。
結果は、RX 6800 XTは110秒ほど掛かったのに対して、RX 7800 XTは96秒と、14秒短縮することができた。13%ほど時間を削ることができているあたりは、AI Acceleratorの効果を感じられる。
Topaz Photo AIでは、先ほどの風景写真を4倍にアップスケールしてみた。所要時間を2回計測した上、平均を求めている。なおTopaz Photo AIではどのAIを使用するか指定できるが、RX 7800 XTでは同GPUを、RX 6800 XTではCPUを指定している(※RX 6800 XTはAI Acceleratorを搭載していないため)。
結果として、RX 7800 XTは、RX 6800 XTから1.2秒ほど所要時間を詰められた。写真1枚程度ではRX 6800 XTでも処理時間はさほど長くないが、Photoshopと同じで、ファイルの数が増えるに従い、少しの待ち時間でもストレスを感じてしまうことになる。RX 7800 XTではそのストレスを軽減できるのがありがたい。
最後に、Topaz Video AIで、ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレのプレー動画を4K解像度にアップスケーリングしてみた。動画ファイルの書き出しまで実行しているので計測時間はほかと比べて長めになっているが、RX 7800 XTはRX 6800 XTから時間を8秒ほど縮めている。AI Acceleratorの恩恵で高速化できている点に疑いの余地はないだろう。