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京大、人工超格子で「らせん型超伝導」状態を創出

2024年05月23日 06時58分更新

文● MIT Technology Review Japan

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京都大学の研究チームは、3種類の希土類化合物を積層構造させた三色人工超格子において「らせん型超伝導」状態を創出し、その検出に成功した。

京都大学の研究チームは、3種類の希土類化合物を積層構造させた三色人工超格子において「らせん型超伝導」状態を創出し、その検出に成功した。 超伝導は電子が対を組むことによって生じるが、通常の超伝導体では電子対の重心運動量はゼロとなっている。これに対し、らせん型超伝導は電子対が有限運動量を持つ特殊な状態であり、その直接的な証拠はこれまで見つかっていなかった。 研究チームは、らせん型超伝導状態を実現・観測するために、希土類化合物を原子数層ずつ積層させた人工超格子構造を作製し、非相反伝導と呼ばれる現象を調査。その結果、低温・高磁場領域において、超伝導電子対が有限の運動量を持った状態が起こっている直接的な証拠を発見した。 今回の研究成果は、これまで自然界に存在することが知られていなかった新しい超伝導状態を人工的に作り出し、その検出にも成功したというものであり、今後の新しい超伝導状態の発見につながることが期待される。研究論文はネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に2024年5月8日付けで掲載された

(中條)

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