日本でも人気のある、中国のイヤホンブランド「水月雨(Moondrop)」が、オーディオファン向けの5Gスマートフォンを発表。詳細を公式サイトで公開した。
スマートフォンからイヤホン端子がなくなっていく傾向は、音楽ファンにとって望ましくないと考えたのが出発点だという。これにはスマホが複雑化しているという背景もある。例えば、Apple Musicなどのストリーミングサービスでは、ハイレゾ・ロスレスでの配信がなされているが、そのメリットを活かすためにはスティック型のUSB DACやハイレゾプレーヤー(DAP)などを、かさばるが持ち運ばないといけない。できれば避けたいと思うユーザーも多いだろう。そこで「Take beautiful sounds with you」(素晴らしい音楽を持ち出す)を掲げて開発を始めたという。
スペックシートによると、製品名は「MIAD01」(型番はMD-PH-001)で、SoCにMediaTek「Dimensity 7050 MTKD7050」を搭載している。Dimensity 7050は8コア搭載で内訳はCortex-A78-2.6GHzを2基、Cortex-A55-2.0GHzを6基。5G通信やBluetooth 5.2の機能も統合している。TSMCのプロセスルール6nmのラインで製造しているという。MediaTek製なので、Snapdragon Soundには非対応。aptX系コーデックのサポートもないが、SBC、AACのほかにLDACコーデックを利用できる。
また、12GBのメモリーを搭載し、2TBまでの外部フラッシュメモリーをサポートしている。バッテリーは5000mAhと大容量だ。USBは当然OTGがサポートされている。スクリーンは6.7インチのAMOLEDで、リフレッシュレートは120Hzだ。カメラ性能はリアカメラが二眼の64メガピクセルと8メガピクセルであり、サイトに「It’s not good, but it works」(あまりよくないけれど十分だ)と正直に書かれているのが面白い。カメラではなく、オーディオに振ったスマホだということがわかりやすい。
OSはAndroid 13。ストリーミングアプリなどは用意しやすいだろう。もちろんハイレゾとロスレスに対応するため、Androidの標準ミキサーはバイパスしているようだ。昨年のこの連載で紹介したようにAndroidで標準的に排他モードが搭載されるのはAndroid 14からなので、MIAD01では独自にミキサーをバイパスしていると考えられる。
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