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255万円、408万円、659万円ですね

日産のEV3兄弟「サクラ」と「リーフ」と「アリア」を乗り比べてみた

2024年05月02日 10時00分更新

文● みやのプロ(@E_Minazou) 編集● ASCII

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 日産自動車が4月にプレス向けに実施した「オールラインナップ試乗会」に参加して、EV3車種に乗ってきたのでレポートしよう。

日産のEV3兄弟に試乗してみた

 IEA(世界エネルギー機関)が発表したレポートで、世界でのEV(電気自動車)とPHV(プラグインハイブリッド車)の販売台数は、24年には前年比2割増の1700万台になると予想。世界の新車の5台に1台がEV/PHVになる。

 23年のEV/PHVの販売台数は1400万台で、内訳は60%が中国、ヨーロッパが25%、米国が10%だった。中国では24年には新車のうち45%がEV/PHVに、ヨーロッパでは25%を占める予想だ。

日産のEV3兄弟に試乗してみた

 日本では23年で1.8%がEVだったが、そのうち41%が日産サクラ、16%がリーフ+アリアで、国内EV購入者の57%が日産のEVを購入している。

LEAF(リーフ)
さすが初代EVの完成度

日産のEV3兄弟に試乗してみた

 リーフは2010年に発売となった日産初の量産型EVで、現在のモデルは2代目で、日産の創業90周年モデルも発表となっている。

 全長4480mm、全幅1790mm、全高1560mm、ホイールベース2700mm。バッテリー容量は40kWhと60kWhがあり、お値段は約408万円からとなっている。「一充電走行距離」はWLTCモードで40kWhモデルでは322km、60kWhでは450kmだ。

 原動機はEM57で、定格出力が85kW、最高出力は40kWhモデルで110kW、60kWhモデルで160kW、最大トルクも320Nmと340Nmとなる。車両総重量は1795kgと1955kgだ。

日産のEV3兄弟に試乗してみた
日産のEV3兄弟に試乗してみた
日産のEV3兄弟に試乗してみた
日産のEV3兄弟に試乗してみた

 今回は、60kWhモデルの「e+ G」モデルに試乗したが、おなじみのEVならではの無限加速がとても気持ち良かった。180cm100kgのおじさんでも、運転席は余裕の広さで、静音性も高く、完成されたCクラスEVである。

 アクセルペダルだけで運転する「e-Pedal」は、さすがに慣れが必要。各社のハイブリッド車よりも、アクセルを離したときのブレーキ度合いは強めで、アクセルから足を離すと、停車までいく。都内一般道なら、完全にワンペダルで運転できる。

 「e-Pedal」のON/OFFは、専用ボタンがあり、すぐに切り替えができるのも便利で、OFF時のブレーキの効きも、回生が効いていて独特だった。

 日産独自の運転支援システム「プロパイロット」を搭載しているので、高速道路の巡航走行と渋滞走行で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動で制御してくれる。「プロパイロット パーキング」で並列駐車や車庫入れも自動化されている。

日産のEV3兄弟に試乗してみた

SAKURA(サクラ)
2年連続、日本で一番売れているEV

日産のEV3兄弟に試乗してみた

 22年に発売となった軽自動車サイズのEVで、23年度の国内販売台数3万4083台と、前年度に続きEV販売台数1位となった。

 全長は3395mm、全幅は1475mm、全高1655mmでホイールベースは2495mm。バッテリー容量は20kWhで走行距離はWLTCで180km。お値段は約255万円からと、リーフより150万円も安いのも魅力だ。

 原動機はMM48で定格出力が20kW、最高出力が47kW、最大トルクは195Nmある。総重量は1290~1300kgだ。

日産のEV3兄弟に試乗してみた
日産のEV3兄弟に試乗してみた
日産のEV3兄弟に試乗してみた
日産のEV3兄弟に試乗してみた

 こちらも、アクセルを踏むと、EVならではの永久加速で、これは軽自動車の走りではない。驚きのパワーで、コーナーでタイヤを鳴らしてしまった。

 ベンチシートのようにみえる前部座席だが、運転席側をいちばん後ろにずらせば、オジサンでも楽なポジションになる。軽だと車内が狭いのかと思ったが、圧迫感もなく、リーフより広い感じさえする。

 アクセルの仕組みは、リーフの「e-Pedal」と異なり、こちらは「e-Pedal Step」という機構だ。完全なワンペダルではなく、停車時にはブレーキを踏む必要がある。発進時もブレーキを離すと、エンジン車のクリープ現象のようにゆっくり動くので、違和感はなかった。

 こちらも、グレードによっては「プロパイロット」と「プロパイロット パーキング」を搭載。軽自動車ながら、これらの自動機能が楽しめるのも、サクラさんすごいですな要因なのである。

日産のEV3兄弟に試乗してみた

ARIYA(アリア)
安心の乗り心地と「プロパイロット 2.0」がすごい

日産のEV3兄弟に試乗してみた

 21年発売のSUV型のEVで、日産のフラッグシップEVである。FFと4WDモデルがあり、お値段は約659万円~944万円だ。

 全長は4595mm、全幅は1850mm、全高1655mmで、ホイールベースは2775mm。バッテリー容量は66kWhと91kWhの2種類で、総重量は2195kg~2485kg、走行距離はWLTCモードで470~640kmとなる。原動機はAM67で、定格45kW、最高160kW、最大トルク300Nmで、FFモデルは1基搭載なのでリーフとあまり変わらないが、4WDでは2基となり、2倍の出力となる。

 最高グレードの「e-4ORCE limited」に試乗したが、もちろん、加速は無限で、2モーターの4WDは、高速道路での合流では出すぎるくらいのステキな加速である。

日産のEV3兄弟に試乗してみた
日産のEV3兄弟に試乗してみた
日産のEV3兄弟に試乗してみた
日産のEV3兄弟に試乗してみた

 乗り心地はもちろんグッドで、静音性も高く、こちらは「プロパイロット 2.0」を搭載。7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーが搭載されていて、白線や標識、周辺車両を検知する。

 「プロパイロット 2.0」は、以前、スカイラインのハイブリッドで体験したことがあるが、高速道路でハンドルから手を離す勇気が試されるのだが、この未来感はやはり嬉しいのである。ナビと連動して、追い越しや分岐もアシストしてくれて、高速道路の出口まで連れて行ってくれるのだ。

日産のEV3兄弟に試乗してみた

 お値段が許すならアリアさんを買うのがベストなのだが、いちばん驚いたのがサクラちゃんの走りの良さである。サーキットでアクセルをベタ踏みしたいクルマなのだ。あえて、航続180kmの割り切りで、お値段250万円を実現したのも見事で、売れている理由が分かった。日常使いクルマとして、ガソリン車に買い足すのもアリではないでしょうかね。

日産のEV3兄弟に試乗してみた

 さて、リーフの40kWhと60kWhのベースモデルは約408万円と525万円なので、バッテリー20kWhで117万円となる。1kWhあたり約6万円とすると、サクラは120万円、リーフは240万円/360万円、アリアは395万円/546万円が「バッテリー代金」ということがわかる。

 ここがもう少しお安くなってくれると、EVが買いやすくなるんですよね。バッテリー研究者のみなさん、よろしくお願いいたします。

 

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