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トリウム229の原子核励起状態の寿命を決定=理研など

2024年04月23日 06時55分更新

文● MIT Technology Review Japan

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理化学研究所、東北大学、高エネルギー加速器研究機構などの共同研究チームは、イオントラップに捕獲されたトリウム229(229Th)の原子核励起状態(アイソマー状態)の寿命を決定することに成功した。既存の原子時計を上回る正確さを持つ原子核時計の実現につながる成果であり、原子核時計による基礎物理定数の恒常性の検証といった物理学の根幹に関わる研究への道を開くことが期待される。

理化学研究所、東北大学、高エネルギー加速器研究機構などの共同研究チームは、イオントラップに捕獲されたトリウム229(229Th)の原子核励起状態(アイソマー状態)の寿命を決定することに成功した。既存の原子時計を上回る正確さを持つ原子核時計の実現につながる成果であり、原子核時計による基礎物理定数の恒常性の検証といった物理学の根幹に関わる研究への道を開くことが期待される。 トリウムの同位体であるトリウム229原子核は、基底状態からわずか8.3電子ボルト(eV)のエネルギー領域にアイソマー状態と呼ばれる準安定状態を持つ。このアイソマー状態を利用すると周波数が非常に正確な「原子核時計」を実現できるとされ、近年注目されている。 研究チームは今回、トリウム229を真空中に捕獲する装置を開発。さらに、その装置で捕獲したトリウム229イオンの集団に2%含まれている、原子核がアイソマー状態にあるトリウム229イオンを選択的に検出する独自の技術を開発することで、アイソマー状態の寿命を決定した。 研究論文は、ネイチャー(Nature)に2024年4月17日付けで掲載された

(中條)

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