NECは、プラスチックなどの素材のライフサイクルを管理し、国内外で利用できる「プラスチック情報流通プラットフォーム」のプロトタイプを開発した。東レ、アミタホールディングスと共同で2024年4月から実証試験を実施する。
NECは、プラスチックなどの素材のライフサイクルを管理し、国内外で利用できる「プラスチック情報流通プラットフォーム」のプロトタイプを開発した。東レ、アミタホールディングスと共同で2024年4月から実証試験を実施する。 プラスチックは、日々の生活において必要不可欠な素材となっている一方、その廃棄が大きな社会問題となっている。今回開発するプラットフォームは、素材を起点とした基盤システムであり、素材開発、製品製造、流通、回収、分別など、素材のライフサイクルの証跡をダッシュボード上で管理・可視化することを目指す。 素材ベンダーや製品ベンダ、リサイクラーは、素材の製造ロット番号や原材料などの情報を同プラットフォームに登録することで、素材のライフサイクルの証跡管理ができる。登録された素材や製品のデータは、ブロックチェーン技術で分散管理するとともに、システムに保管しているデータの完全性を担保することで、第三者がデータを改ざんできないようにする。 さらに、コネクタ機能により国内外の他プラットフォームとデータ連携できるので、国内の取引だけでなく、輸出入の際の素材や製品の証跡としても活用可能になっている。デジタル署名・検証を利用した真正性機能と、データを秘匿化したままデータ分析・活用をする秘密計算技術を活用することでプライバシーやセキュリティに配慮した情報のやり取りができる。 今回の研究・開発は、内閣府が主導する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の研究課題(「サーキュラーエコノミーシステムの構築」)として実施するもの。2027年度までに社会実装をして、自動車・建築業務など、SIPの取り組みとして200社の利用を目指すという。(中條)