マイクロソフト傘下のGitHubは2月27日(現地時間)、開発者向けAIツール「GitHub Copilot」の企業向け製品「GitHub Copilot Enterprise」の一般公開を発表した。価格はユーザー1人あたり月額39米ドル(およそ5870円)。
組織の知識とコードベースに合わせてカスタマイズ可能
「GitHub Copilot」が公開された当初から、企業独自のコードやプロセスにカスタマイズされたCopilotの登場が待たれていた。
「開発者はこれまで自分では特定・解決できない問題・バグ・固有の脆弱性などに悩まされ、一日に数時間しかコードを書くことに費やせなかった。組織のナレッジへのアクセスが困難であることは開発者の創造性を発揮する障壁となっていた」と、トーマス・ドムケCEOは指摘する。
GitHub Copilot Enterpriseは、組織の知識とコードベースに合わせてカスタマイズされた、ソフトウェア開発ライフサイクル全体にわたってGitHub Copilotを統合する最先端のAI製品だ。
ドムケCEOは「これによりチームメンバーは公開/非公開問わずコードについて質問したり、新しいコードベースを素早く理解したり、エンジニアリングチーム全体での一貫性を高めたり、過去のプロジェクトで確立した標準や成果物へ誰でもアクセスできるようにすることが可能になります」と説明する。
GitHub Copilot Enterpriseの主要機能
・自社コードの深い理解
開発者のコードナビゲーションと理解を効率化し、機能の迅速な実装、問題の解決、コードのモダナイゼーションを可能にする。
コードの要約、適切な提案、コードの挙動に関する質問への迅速な回答などの機能により、新人の戦力化やベテランのインシデント対応を支援し、レガシーコードの改善もサポートする。
・社内のノウハウやベストプラクティスに即アクセス
GitHub.comにチャットが直接統合されたことにより、開発者は自分のコードベースについて自然な言葉で質問できるようになる。また、関連ドキュメントや既存のソリューションへの案内も提供する。
・プルリクエストのレビューを高速化
プルリクエストの概要が自動生成されるので、説明文の作成に時間をかける必要がなくなる。また、差分分析機能で変更内容をすばやく把握し、コード理解の時間を短縮。その分、価値あるフィードバックに多くの時間を注げるようになる。
・Bing検索との統合:
ベータ版の「Copilot Chat - Bing検索連携」機能により、CSSやJavaScriptフレームワークのアップデートなど、ソフトウェア開発の最新情報をすぐに見つけ出すことができる。
セキュリティ、プライバシー、コンプライアンス、透明性を重視して設計されており、ユーザーの非公開リポジトリや提案内容は、明確な指示がない限り製品の基盤となる機械学習モデルのトレーニングに使用されない。