スマホと連携する通信タグ付き「遺失物トレースガジェット」を初めて買ったのは、もう8年ほど昔だ。それまではスマホとは無関係の無線技術を利用した「Lost & Found」と呼ばれてた商品がそれにあたる。米国では当時、ガジェットショップと呼ばれていたシャーパーイメージやサーキットシティで数多く販売されていた。
日本からの出張者にとっては、ちょっと先進テクノロジーの匂いのするシャレた玩具であり持ち帰るビジネスマンも多かった。しかし、1年365日24時間人間の一番近くにある存在になったスマホと連携することとGPSサービスを利用することで、より細かなトラッキングや遺失物の発見が可能となった「スマートタグ」の世界に、数多くのIoT系メーカーが参入することとなった。
遺失物トレースタグの物理的形状やバッテリー交換の可否など多少の差はあれ、スマホの無線ネットワーク機能とレガシーなGPSサービスを組み合わせてできることは、各社それほど大きな差があるわけではない。今回は筆者が初めて手に入れたスマートタグから8年経ったいま、入手できる最新の「Galaxy SmartTag2」(以降、SmartTag2)を衝動買いしたので、その使い勝手の一部をお伝えしたい。
最新のスマートタグ「Galaxy SmartTag2」を衝動買い
今回、衝動買いしたSmartTag2は、サムスン電子の前作の改良モデルで2023年秋に国内発売されたものだ。モデルの外観カラーがブラックとホワイトの2種類。今回ホワイトのSmartTag2用に同系色の専用ケースも購入した。発売後、しばらくは品不足が続いたが今は普通にネットでも待つことなく購入できる。
今も筆者が愛用しているTile(実測8g)とMAMORIOの2つをSmartTag2と並べて比較するとSmartTag2(実測14g)の大きさがひと際目立つ。内蔵バッテリーが交換のできないMAMORIOは、小さくより軽いサイズを実現していてICタグとしては理想的だが、1年前後で本体を含む全体の買い替えが必要となる。
MAMORIOはトラッキングアプリとの連携も良く、買い替えでも大きなアプリ上の設定負担もなく引継ぎもスムースだ。買い替えることによって真新しいスマートタグに生まれ変わるので、新品の好きな筆者などにはうれしいモデルだ。しかし、残念ながらスマートタグのトレンドはエコ社会の反映なのか、内蔵バッテリーの交換できるより大きなサイズに全体としては移行しているようだ。
Galaxy SmartTag2は同じバッテリー交換型のスマートタグの中でも大人の指が楽に入るほど大きな穴のある個性的な格好をしており、かなり大きなサイズだ。所詮、同時代の同じ技術を使用しているので全体のサイズ感はバッテリー交換の可否やデザインコンセプトにより、最終的に3つくらいに分化したというのが正しい理解だろう。
今回購入したころはまだ品薄の時期でもあったが、ビックカメラのオンラインサイトで購入した。購入価格は1個およそ4000円(カラーにより若干異なる)。驚いたのはフック形式でSmartTag2をカバンやカギなどに取り付ける専用ケース「Galaxy SmartTag2 Rugged Case」が、別途2020円もしたことだ。SmartTag2+ケースで6000円超はアップルのAirTagに習ったのかもしれない。うっかりすると取り付ける対象を失くしてしまって、同等品を買っても総額でははるかに安いケースもありそうだ。
かなりタイトな専用ケースは、最初からフック用の大きな穴の開いているSmartTag2の周囲にはめて、その外側に別のリングフックが付くという無駄の積み重ねに見えてしまう。そして、そのサイズはスマートタグとしては異常に大きなメタボサイズに成長してしまう。
バッテリー交換は、一般的なフタのスライドによるバッテリーボックスの開閉ではなく、SIMピンをリング状の内側にある小穴に押し込み、強く押してバッテリートレイを押し出す仕組みだ。バッテリートレイの存在は美しくカモフラージュされ外観デザイン的には美しいが、押し出す時に親指の腹にSIMピンの後ろの形が付いてしまうほど硬いのが、残念だ。
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