スポーツチームの収益確保のひとつとして挙げられるのが「スポーツオークション」だ。しかし、オークションに参加するノウハウがないとして、参加をためらっているチームがあるのも現状。そんな中、手軽に参加できるスポーツオークションとして注目されているのが「スポオク」だ。
スポーツチームが公式開催できるオークション
「スポオク」は、スポーツチームが「オフィシャル」としてオークションを開催できるサービス。一般的なオークションサイトの場合、出品者や出品物の真贋が判断できないというケースは少なくない。その点、「スポオク」は先述のようにチーム公式出品なので、商品の安全性が担保される。モバオクのオークション機能を利用していることもあり、ユーザーは安心してオークションに参加できる形だ。
出品するスポーツチーム側のメリットとして「手厚い出品サポート」が挙げられる。商品の出品から梱包、発送といった作業は全て「スポオク」が担当。オークション用の専用Webページの作成、サポートも依頼することが可能だ。「出品作業に手が回せない」「そもそもオークションの利用方法が分からない」というチームでも参加しやすいといえる。
また、出品と落札の手数料を少なく設定するなど、「チームへの還元の高さ」も「スポオク」の特徴。オークション以外にも、エンゲートにてギフティングを活用してファンやサポーターの支援を募ることも可能だ。
スポーツオークションの認知拡大が目標
「スポオク」は株式会社モバオクとエンゲート株式会社の2社が提携し、生まれたサービスだ。株式会社モバオクは、日本最大級のオークションサイト「モバオク」を運営している企業。一方のエンゲート株式会社も、日本最大級のスポーツ特化型ギフティングサービス「エンゲート」を運営している。なぜこの2社がタッグを組むことになったのだろうか。
モバオクの白倉新之助氏によると、「『モバオク』では以前からチャリティーオークションに注力しており、スポーツチーム支援のひとつとしてオークションを開催していた。しかし、スポーツオークションの認知は低く、より多くのスポーツチームに、オークションを知ってもらう、利用してもらうための方法を画策していた」という。
エンゲートの城戸幸一郎代表も「欧米に比べると課題が多い日本のスポーツ界に、ギフティングサービス以外にも、何か新しいサービスが生み出せないか検討しており、スポーツオークションに注目していた。そんな中で『モバオク』との提携の話があり、協力することになった」と話す。
スポーツオークションのノウハウを持つモバオクと、スポーツ業界への高いアプローチ力を持つエンゲートが、互いの特徴を掛け合わせることで「スポオク」は誕生した。
利用しやすさを武器にサービスの拡大を目指す
城戸代表によると「日本でのスポーツオークション利用はまだまだ少なく、伸びしろがあるサービス」だという。スポーツオークションに興味があっても手が回せないというチームや、そもそもオークションの存在を知らないというチームが多いのだ。
しかし、「スポオク」はリソースを割かずに手軽に参加できるため、これまで参加を敬遠してきたチームが積極的に利用してくれるようになる可能性は高い。利用チームが多くなれば認知度も高まり、さらに利用チームは増えるだろう。
すでに複数のスポーツチームが利用を始めるなど、大いに注目を集めている。「エンゲート」の城戸代表は「従来のオークションサービスよりもリソースを割かずに利用できる、高い収益を得られるサービスとして受け入れられ始めていると感じている」と話しており、スポーツ業界への手応えも「上々」という状況だ。
また、「モバオク」の白倉氏は「『スポオク』が、日本のスポーツ業界全体への貢献を目指している」と話す。「資金を獲得する手段がない」というスポーツチーム、ひいてはスポーツ業界全体の課題解決にも貢献するサービスだといえる。
「スポオク」は、まだ始動からまもないサービスではあるものの、大きな期待が寄せられているサービスだ。メジャーなチームだけでなく、規模の小さなチームや、マイナースポーツのチームの「資金獲得手段」としても活躍するだろう。日本スポーツ界の底上げにつながるサービスとして期待したい。
