短文投稿型SNS「Bluesky(ブルースカイ)」が現地時間2月6日より、招待コード不要で、誰でも自由にアカウントを作成できるようになった。この記事ではBlueskyの基本的な使い方にくわえ、「X」や「Threads」といった他の短文投稿型SNSとの違いなどを簡単に解説する。
BlueskyってどんなSNS?
Blueskyはツイッター(現X)共同創業者の1人、ジャック・ドーシー氏の支援を受けて作られたサービスで、見た目はXとよく似ているが、機能はXよりも少なく、ライブ配信や音声通話などはできない。一言で言えば、「X風のシンプルな短文投稿型SNS」だ。
技術面では「ATプロトコル」と呼ばれる分散型SNSの仕組みを採用。同じ規格を採用するほかのSNSとの間でユーザーデータの相互移行などが可能で、2月中には同機能の初期バージョンの公開が予定されている。
Blueskyの始め方
Blueskyを始める方法は、まずアカウントを作成するところから。PC、タブレット、スマホと幅広く対応できるブラウザー版をベースに説明するが、iOS/Androidで利用できるアプリ版も基本的な手順は同じだ。
●アカウント作成方法
1. 「bsky.app」にアクセスする
2. 「新しいアカウントを作成」をタップする
3. メールアドレス、パスワード、生年月日を入力する
4. SMS認証画面が表示されたら、国番号を選択(日本は「+81」)。SMS認証に使う電話番号を入力し、「コードをリクエスト」をタップする
5. SMSで届いた認証コードを入力する
6. 希望するユーザーハンドルを入力する
7. 興味のあるジャンルや各種設定について、画面に従って設定する
途中で表示される「フィード」の設定画面は、Xの「タイムライン」「公開リスト」に相当するもの。Blueskyはフォローしたアカウントの投稿が流れる「Following」フィードをデフォルトで用意しているほか、特定の話題を扱うフィードをユーザー自身で追加することができる。
Blueskyの基本操作
●ホーム画面の構成
ホーム画面のつくりはXとほぼ同じだ。スマートフォンの場合、画面最上段の左右にはメニュー一覧や設定へ進めるハンバーガーメニュー類を配置。2段目はフォローしているフィード(タイムライン)を切り替えるタブになっている。
ポストの投稿ボタンはフィード内にフローティング状態で表示。画面の一番下に「ホーム画面」「キーワードおよびユーザー検索」「フィード検索」「通知」「プロフィール画面」へのショートカットが並ぶわかりやすい構成だ。
●ポストの投稿
投稿ボタンを選択すると、ポストを書き込む画面へ遷移する。文字数は日本語のテキストの場合、最大300文字。写真の添付にも対応し、一度に複数枚の投稿が可能だ。
「投稿」ボタン左の「吹き出し」ボタンをタップするとポストに返信できるユーザーを制限するメニューが開く。特定のユーザーを指定して拒否することはできないが、メンションされたユーザーや自分がフォローするユーザーのみ返信を許可したり、全ユーザーからの返信を拒否するなど、おおまかな設定はできる。
なお、成人向けコンテンツを投稿する場合は「吹き出し」ボタン左の「盾」ボタンをタップし、成人向けコンテンツであることをほかのユーザーに明示する必要がある。
●返信、リポスト、いいね
各ポストの下部には「返信」「リポスト」「いいね!」ボタンが配置され、Xとほぼ同じ操作感で利用できる。リポストのボタンをタップすると、通常のリポストと「引用リポスト」を選択するメニューが出てくるのも、Xと同じだ。
投稿日時の横にある「翻訳」をタップすれば、外国語のポストを日本語に翻訳することも可能。ただし、原文の下部に直接日本語訳を表示することはできず、一旦「Google翻訳」のサイトにリダイレクトされてしまう。
●フォロー、公開リスト、ブロック、ミュート
特定のアカウントをフォローしたい場合は、検索機能を使って探すか、フィード上に流れてきた投稿から投稿者のアイコンをタップして、プロフィール画面のフォローボタンを押せばよい。この辺りの仕組みも、Xなどと同じだ。
フォローだけでなく、複数のアカウントを公開リストにまとめたり、ブロック、ミュートする機能も用意。公開リストは、通常のリストと「モデレーションリスト」の2種類を作成できる。各リストの作成は画面上部左のハンバーガーボタンをタップして表示されるメニュー一覧から、「リスト」または「モデレーション」を選択すればOK。
ブロックとミュートは、アカウント単位のほか、モデレーションリスト単位での適用も可能。例えば別のユーザーが作成した「スパムアカウントをまとめたモデレーションリスト」をミュートすると、当該モデレーションリストに登録されている全アカウントの投稿が自分のフィード上で非表示になる。
XやThreadsとの違いは?
●Blueskyは広告が表示されない
競合となるXやThreadsとの違いとして、もっともわかりやすいのは、Blueskyは広告が表示されないことだ。
Blueskyでは広告収入に頼るビジネスモデルとは相性が悪いとして、広告以外の手段で収益を得る戦略をとっている。最上位の有料プラン契約者以外は広告表示を強制するXや、現段階では広告非表示だが、将来的な導入までは否定していないThreadsとは対照的だ。
●公式アカウントの数が異なる
XやThreadsでは企業や官公庁、メディアなどの公式アカウントが大量に存在するが、Blueskyにはまだまだ少ない。招待制が廃止されたことで、Blueskyにも公式アカウントを設ける企業や団体が少しずつ増えてきてはいるが、災害時など公式アカウントの情報が不可欠となる場面では、Blueskyは力不足と言わざるを得ないだろう。
XやThreadsに不満を感じてBlueskyへの乗り換えを考えているユーザーも、当面はBluesky1本に絞るのではなく、他のSNSと併用することをお勧めする。
●画像の不適切判定の基準がXやThreadsと異なる
Bluesky、X、Threadsのいずれも、ユーザーがポストした画像に不適切な内容が含まれていると、「問題のある画像」と判定され、投稿者に何らかのペナルティーが科せられる点は同じだ。
注意すべきは、XやThreadsでは問題なしとされた画像が、Blueskyでは問題ありと判定される可能性があること。真偽の程は不明だが、「Xでは問題視されなかった画像をBlueskyに投稿したところ、問題ありと判定され、Blueskyのアカウントが削除されてしまった」といった声が一部のXユーザーから挙がっていることも事実だ。
イラストや写真を投稿する機会が多いユーザーは、投稿に際して「BlueskyはXやThreadsとは違う場所」という意識をもっておいた方がよいだろう。